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妹なんていなければよかった (紗夜/日菜) 〜 Bad End 〜
本編
おねーちゃん
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ー 3/2 - 紗夜の部屋 ー
「おねーちゃん!」
突然部屋のドアが開けられ、その声が聞こえてきた。
始まった…
「日菜!部屋に入る時はノックをしてと言っているでしょ!」
「ごめんなさい。おねーちゃんがライブやるって聞いたから
私も観たいなーって思って!」
「ライブには来ないでと言ったでしょう」
「でもどうしてもおねーちゃんのライブが見たくて」
「ダメよ」
「どうしてー?」
「…」
「ダメなものはダメよ」
「お願い!今回だけでいいから!」
「どうしても見たいの!」
「…」
「あなたがいると演奏に集中できないの」
「お願いだから来ないで」
「…」
「はーい……」
日菜はいつも私に対して優しく接してくる。
どんなに酷いことを言っても。
私は日菜に負けるのが悔しくて努力をしてきた。
けれど、どれだけ頑張っても日菜を超えることはできなかった。
何をしても妹に軽々と超えられてしまう。
ギターの練習をしていても、日菜なら完璧な演奏ができたと思うと気力がなくなってしまう。
だからライブには来てほしくない。
私の唯一の居場所を、演奏を、奪われたくない。
私にはギターしかないのだから…
「なんで妹なんているのかしら………」
何故私が姉なのか。
早く独立をして関係を絶ちたい。
いつしか、そう思うようになっていた。
ここ最近は日菜のワガママが酷くなってきた。
今まではライブを見に行きたいだなんて言わなかったのに。
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