暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第235話「孤軍奮闘」
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して、悠長に驚いている暇もない。
 飛び退いた二人へ、悪神達の“天使”が襲い掛かる。

「気を付けなさい!今度の相手は、本来の力そのままよ!」

「くっ……!」

 すぐさま各々武器を構える。
 対し、“天使”も闇色の武器を構え、襲い掛かった。
 その様は最早天使とは見えない。良くて堕天使と言った所だろう。

「はぁっ!」

「このっ……!」

 白兵戦なら、こちらの“領域”に引きずり込んで戦える。
 そう考えて二人は武器を振るった。
 帝はともかく、優奈は導王流があるため、まず負けはない。
 ……だが、それを覆すのが“性質”だ。

「“返れ”」

「ッッ……!」

 まるでベクトルが180度変わったように、武器の軌道が無理矢理変えられる。
 それは武器を叩きつけて弾かれた時よりも大きな隙となる。

「がぁっ!?」

「ッ、帝!」

 優奈は瞬間移動で反撃を躱した。
 しかし、帝は躱せずにまともに攻撃を食らってしまった。

「(ベクトルの反転……いえ、今の感覚は、プラスのモノをマイナスに変えられた……?とにかく、一旦離脱を……!)」

「おっと、そうはさせんぞ」

「ッ……新手……!」

 戦略的撤退を選ぼうとする優奈を、また別の神が阻む。
 結界のように展開されたソレは、まるで幽閉のための牢獄のようだった。

「(瞬間移動でも、離脱出来ない……!間違いなく、“性質”を利用したもの……!)」

「神界を逃げ回る人間が残っているかもしれないと、イリスが言っていたが……その通りだったな」

 さらに増援が来る。
 これで、優奈が危惧していた包囲が完成してしまう。
 その上、“性質”を利用した結界で逃げる事も叶わない。

「……こうなったら、全員倒すしか……!」

「出来るのか?お前に」

「ッ……!」

 覚悟を決めて向き直った瞬間、優奈の体が重くなる。

「そこの男を庇った時点で、お前の敗北は決まった」

「……体力が自然回復しない……むしろ、減っている……そういう、“性質”……!」

 神界において、体力などは全て自然回復する。
 だが、今の優奈は逆にそれが自然減少していた。
 体力、魔力、霊力、そして理力すら徐々に減っていく。

「優奈……」

「……それが、どうしたってのよ……!その程度で、私の“可能性”は潰えていない……!帝!倒すわよ!!」

 それでもなお、優奈は武器を構える。
 戦力差は大きい。その上、勝ちの目となる優奈は弱っている状態だ。
 負ける事は許されず、必ずここで勝たなくてはならない。

「ッ……ぉおおっ!!」

 帝も、それを理解している。
 だからこそ、雄叫びと共に大量の武器を射出
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