第八十一話 張飛、陳宮を庇うのことその四
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「先陣は予定通り劉備殿に務めてもらいます」
「それで宜しいですね」
「仕方ありませんわね」
何故かここで袁紹が憮然として言うのだった。
「劉備さんが務められることは決まってますから」
「はい、ですから麗羽様は本陣においてです」
「全体の指揮を御願いします」
配下の軍師達にも釘を刺される袁紹だった。
「間違っても前線には出られないで下さいね」
「第二陣にいて下さいね」
「何度も言わなくてもわかってますわ」
こうは言っても不満はその顔に出ている。
「全く。わたくしは総大将ですし」
「そうよ。貴女は私と一緒に第二陣の指揮よ」
曹操も軍師二人と同意見だった。
「そこから動かないようにね」
「わかってますわ。では劉備さんが先陣で」
ここからはまともな作戦の話し合いであった。
「迎え撃たんとする敵軍を退けてから」
「はい、それから攻城兵器を出してきてです」
「そのうえで、です」
田豊と沮授がまた話してきた。
「関を攻撃し攻略します」
「それが作戦の基本です」
「問題は左右から来るかも知れない伏兵ね」
孫策はその存在を危惧していた。
「それが出て来る危険は高いわよ」
「ですから軍の左右に偵察を多く出しています」
「そして陣の左右に弓兵や槍兵を置いていますので」
だからそれは大丈夫だと話す田豊と沮授だった。
「先陣の劉備さんの軍は野戦の為に騎兵を左右に置いてもらっていますが」
「第二陣以降はそうしてもらっています」
そのだ。伏兵に備えてであった。
「第二陣以降で先陣のフォローもしますので」
「戦いはそうして進めていきます」
「つまりあれだな」
ここで言ったのは公孫賛だった。
「伏兵に警戒しながら先陣で野戦に勝利しそこから関は攻城兵器で攻略していくのだな」
「はい、そうです」
「そういうことです」
田豊と沮授は公孫賛にまずはこう答えた。
しかしであった。二人はすぐに怪訝な顔になってだ。彼女に問うのだった。
「ですが貴女は」
「どなたなのですか?」
こう問うのだった。
「御見かけしたことはないですけれど」
「劉備さんの後ろにいますから劉備さんの配下の方なのはわかりますけれど」
「あの、本当に」
「どなたでしょうか」
「おい、御主達にも何度も会っているぞ」
公孫賛はたまりかねた口調で二人に言い返した。
「先の幽州の牧公孫賛だ。知らないのか」
「はて。幽州は麗羽様が入られるまではどなたも牧におられなく」
「劉備さんが桃家荘におられたのは知ってますが」
「何故桃香を知っていて私を知らないのだ」
いつもの展開になってきた。
「どうしてなのだ。何度も会っていて」
「いえ、初対面ですけれど」
「間違いなく」
二人は素で答えた。
「ですから御
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