中編
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か、そう言いました。
「・・・ということです。」
山村さんはその態度をまったく気にしないかのように、こちらを向いてににこやかに言いました。
和久田さんは少し顔を歪めて口を尖らせると、そのまま端末に向かって作業に戻りました。
「彼が愛想が無いのはご容赦を・・・。もともとこの展示会までの調整で、徹夜続きで疲れているんです。その分 スピカが愛想を振りまきますので・・・それでは早速試してみましょう。」
山村さんはみんなをスピカの前に誘導しました。
「どうぞ、何か話しかけてみてください。」
みんなが顔を見合わせて躊躇したので、私が思い切ってが「こんにちは。」と声をかけてみました。
「こんにちは。私の名前はスピカです。」とスピカが返してきました。人工音声だけど、アニメキャラ的な可愛い声でした。
「私は風花っていいます。」
「風花さん、よろしくお願いします。風花さんはおいくつですか?」
「16歳。高校生です。」
「私といっしょですね。」
スピカが笑顔を見せて、うれしそうに両手を合わせます。背後で「そういう設定です。」と山村さんがささやきました。
「学校では何かクラブ活動をしていますか?」
スピカがさらに質問をしてきました。話し方は驚くほど自然です。表面的な雰囲気はアイギスと遜色有りません。
「私は写真部に入っています。」
「写真を撮るのは楽しいですか。」
「自分がきれいだと感動したものを、写真として残せるのはとても楽しいです。」
「それはとっても素敵ですね。」
「ありがとう。スピカさんは何かクラブ活動をしていますか?」
ちょっと無理な質問だったかな、と私は気になりましたが、スピカはよどみなく答えてきました。
「私はお仕事があるのでクラブ活動はしていません。おしゃべりが好きなので、こうして皆さんとお話する仕事をしています。」
その後、さらに少し話を交わした後、他の人に入れ替わりながら交代で話をしました。
会話は非常にスムーズでしたが、当然ながら表面的なものであり、あまり深い内容の話にはなりませんでした。
それでもスピカは、スポーツの話、政治の話、アイドルの話 等、どんな話にも対応してきます。
「私は〇〇が好きです。」「〇〇を応援しています」と言ったり、時々夢を語ったりもしましたが、それもあらかじめプログラムされている設定なのでしょう。
技術的には見事なものでしたが、これがアイギスが期待したような会話と言えるのかが気になりました。
「アイギス。お前も話してみるか?」
桐条先輩が気を使ってアイギスに声をかけました。
「はい。」と言ってアイギスが前に出ます。
「アイギスであります。スピカさん。こんにちは。」
「こんにちはアイギスさん。アイギスさんもみなさんのお友達ですか。」
「同じ活動をする仲間であります。」
ア
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