中編
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「ロボット博覧会?」
夜、寮の1Fに全員が集まっているところで、順平君が桐条先輩に昼間の出来事を説明しました。
順平君の話を聞いて、桐条先輩が少し首を傾げました。
「風花とか、そういうの好きそうだよね。」とゆかりちゃんに話しかけられたので、「うん、ちょっと興味あるかな・・・。」と私は答えました。
それにしてもアイギスがこんなイベントに興味をもって、行きたいと主張するなんて、本当に驚きです。
アイギスの方に目を向けると、彼女は霧条先輩をじっと見つめています。その視線には、「どうしても」という真剣なものが感じられる気さえします。
「これなんスけどね。最先端のロボット展示会とかってやつで・・・その目玉がこの会話ロボットらしいんスけど・・・」
順平君がチラシを差し出しました。
先輩はそのチラシの裏表を見て「うちのグループが主催してるのか。」とつぶやきました。
チラシが順番に回され、私もゆかりちゃんから受け取って見てみました。
個人的にはすごく興味のあるイベントです。アイギスも同じロボットとして何か感じるものがあったのでしょうか。
「しかし、いくら最先端のロボットといっても、アイギスとでは比べ物にもならないだろう。」
真田先輩が腕組みをして少し困惑したように言いました。
「まあ、そうだろうな。現時点の科学技術では、はっきり言ってアイギスレベルのロボットの製造は不可能だ。アイギスはロボット工学とは異なる、超科学的なもので成り立っている。むしろオカルトに近いと言っていい。タルタロスやシャドウやペルソナの研究成果だからな。」
桐条先輩が答えました。
そう、アイギスはロボットではあるのですが、技術的な意味でのロボットというものを超えた存在です。その核となるのはパピヨンハートと呼ばれる未知の物質なのです。
「ペルソナだって使える、心のあるロボットですからね。ここで展示されるようなロボットとは別物だと思います。」と私も言いました。
「まあ、心っていっても、まだ人間にはほど遠い感じだけどな。」
と順平君が言ったので、私は首を振って返しました。
「そんなことないよ。だってただの機械は何かに興味を持ったり、自分の仲間であるロボットに会いたいなんて思ったりしないでしょ。まだ経験が乏しくて未熟だから非常識なことを言ったりもするけれど、心が無いわけじゃなくて、成長している途中なんだよ。」
「そっか・・・ああ、でも、そうかもな。」
順平君はうなずきました。
「確かにこれに行きたいって言った時のアイちゃんからは、なんだかすごい気迫を感じてさ。つい、こうしてチラシを持って帰ってきちまったわけよ。」
順平君の言葉に天田君も「そうですね。」と同意しました。
「アイギスは自分と同じロボットに会ったことがない・・・か。そりゃあ、会えるというなら会ってみたくも
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