揺籃編
第十三話 エル・ファシルの奇跡(中)
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もいるんだぞ。無理だろう」
「やりますよ、帝国軍は。軍民関係ないのですから捕虜収容所にでも入れればいい。捕虜収容所ならまだいい、その上もありえます」
「…死罪か?いくら何でもそれは」
「…帝国には共和主義者にとって悪名高き内務省、社会秩序維持局がありますよ。捕虜収容所なら帝国軍の管轄ですが、政治犯罪者扱いなら内務省管轄になりますね。そして、得なければならない民心は同盟人の民心ではありません。帝国臣民の民心です。見せしめに二百万人が死罪…充分ありえます」
「…帝国臣民、いわゆる平民の反発がひどい事にならないかい?」
「社会体制が違うのです、平民が求めているのは政治的自由ではありませんからね。それに百五十年も戦争している。帝国の平民だって、我々に恨み骨髄ですよ。溜飲を下げる、復讐という意味でも喜ばれるかも知れません。専制国家ですからね、何が起こるか分かりませんよ。…以上は想定としてはまだまともなパターンです」
「これでまともとはね。そうじゃないパターンがあるのかい?」
「…聞きたいですか」
「…聞いておいた方がいい気がするのでね」
「まともじゃない場合というのは指揮官が貴族だった場合ですよ」
「…どう違うんだい」
「連れて帰って売る」
「売る?人身売買という事かい?」
「はい。我々は帝国臣民ではないですからね。働ける者は労働力として。容姿端麗、妙齢の女性…女性だけでは無いかも知れませんが、性的な奴隷というのもありますね。それ以外は殺されるかもしれない」
「…もういい、よくわかったよ」
「…思い上がった反乱者ども!という事でいきなり熱核兵器で抹殺…という事もありえます」
「わかったよ、よく分かった。仕事にかかろう」
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