第一話 提督の決断
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ることになりそうですね」
「そうなのか……俺としても、今まではお前らも側に付かせようとはしなかったが今回のことを考えると付けざるを得ない状況だと思うが、……迷惑じゃないか?」
「ですから提督は自己評価が低過ぎます! これは個人的な理由を外したとしても提督をお守りするという艦娘としては当たり前の対応ですからね? 私達に迷惑だとか迷惑じゃないとかそういう次元の話では無いんですよ!?」
「……そうか。すまん」
「それで提督。これからも今までのようにあの娘達と接していくんですか?」
「……いや。流石にもう無理だと思ってる。不必要に親しみを持って接していくことはもうしない。実際、生きる希望は自分で見つけるものだし、無理に俺がお前みたくあいつらの精神的な支柱にならなくても良いと思う。突き落とされる少し前の鎮守府は俺が居ないところでは、頼み込んで支給した娯楽品を楽しんで居たようだったし、料理も美味そうに食べていたようだ。だから皆の心で徐々に鎮守府に帰ってくる理由も出来ていると思っている」
「ではどうするおつもりで?」
「それはもう決まってるだろう──」
「基本不干渉。要は仕事以外の会話はしない。流石に俺も、あいつらには愛想が尽きかけている。あいつらに何か生きる希望を持たせて真っ当な人生を送らせるという夢は達成するが、もう友好関係を結ぶのは諦める」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆ ◆
横須賀鎮守府
「ハア……なんでワタシが執務室に行かないとならないノヨ」
執務室へと続く廊下を、一人の艦娘が幾分か不貞腐れながら歩いていた。
(高級な紅茶カップなんて本当にあるでしょうカネ?)
妹たちとのじゃんけんに負けて、霧島が目撃したという高級なカップを探しに、金剛は執務室に来たのだ。
早速目の前にたどり着き、勿論ノックもせずに扉を開けた。
「……そういえば確か、誰かに階段で突き落とされて入院中デシタネ」
(まあ、ワタシ的にはどうでも良いことネ。さっさと妹達と更にゴージャスなティーパーティーするために見つけないとデスネ)
好都合だ。金剛はそう思ったのと同時に、執務室を物色し始める。
「棚には何も置いてナイ……」
(だとしたら机かもしれないネ)
「この大きな引き出しに……あ、あったネ。──?」
目的の物を提督の机の棚から見つけ、持ち上げた時、棚に何か違和感を感じた。ガコッ、という音と触れてみればその板の先に不自然な空間があるのに気が付いたのだ。
「ここ、なんかおかしいデスネ」
棚の底の怪しい板を取り外してみると、そこには
「……ダイアリー?」
(日記
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