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ペルソナ3 アイギス・だいありー
前編
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かってるじゃないの。」
「はい。散歩の際は安全対策上、リードを着用する事がマナーであります。」
私は物入からリードを取り出し、皆さんのところに持っていきました。
「これはコロマルさんに付ける分、そしてこれは私に付ける分であります。」
「えっ、ちょっ!! ・・・アイちゃんにもつけるの!?」
順平さんが、驚いた表情で訊いてきました。
「散歩ですから。」
「やめて! そんな恰好見られたりしたら、なんか特殊な趣味の人みたいに思われちゃうから・・・・。」
順平さんは焦ったように声を張り上げたであります。
「あと、これは順平さんに付ける分であります。」
「ええー!、ちょっと待って、俺もそっちなの!?」
「はい。本日の散歩当番は天田さんであります。同伴者にはリードの着用が必要と判断されます。」
「勘弁して!!」
「散歩のマナーであります。」
「そんなマナー無いから!!!」

こうして コロマルさん、天田さん、順平さん、に同行して散歩に出たであります。
私は「そのままの姿での外出には問題が有る」と指摘されたので、屋久島から持ってきた青い服を身に着けました。
服を着ることに対する必要性はまだよく理解できませんが、これも社会通念上の「常識」というものかと思われます。人間は調和を求めるので、社会生活において不自然に見えないということは重要なことであります。
夏も終わりに近づき、日が傾くのが早くなりつつありますが、それでも外はまだ明るくて人通りも少なからずありました。
小さな子供と手をつないで歩く母親。笑い声を上げながら、楽し気に話す女学生たち。自転車を走らせる男性。
久しぶりの外の世界は興味深いものが多く、私は周囲を見回しながら情報収集に専念したであります。
途中で、小さな犬を抱いた高齢の女性とすれ違いました。
「あれも散歩なのでしょうか。犬の方が歩いていないのは何か特別な事情があると思われます。小さな犬だったので赤ん坊だと推測されるであります。」
「あれはトイプードルって言って、大人になっても小さい犬なんですよ。」
私の疑問に、天田さんが教えてくれたであります。
「小さい犬だと、犬よりも虫に近いのかもしれません。あの犬は虫の心がわかるかもしれませんね。」
私がそう言うと、「何言ってんだ?」と順平さんが不思議そうに訊いてきました。そこで私は自分の推論を説明したであります。
「寮の中では、天田さんが一番 コロマルさんを理解していると思われるであります。天田さんは子供で、成人よりも小さいので、人間より犬に近いのだと考えられます。その為、他の人よりコロマルさんの心が良くわかるのだと推測されます。
その考え方で行けば、小さな犬は、犬より虫に近いので、虫の心がわかるのでは無いでしょうか。」
「ちょっ・・・ちょっと、アイギスさん。」
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