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ペルソナ3 アイギス・だいありー
前編
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の後しばらく沈黙したまま、落ち着かない様子であたりを見回し、何か考えている様子であります。
これは「困っている」という状況と思われるであります。
「どうしようかな・・・僕一人じゃ、ちょっとマズいんじゃないかな・・・。」
72秒後に出た天田さんの回答は否定的であります。そこで重ねてお願いをしてみることにしました。
「なんとかならないでしょうか。私は人間を理解するよう命じられています。その為には寮の外で多くの人間を観察して、情報を増やすことが必要であります。」
交渉においては、まず相手に「こちらの状況への理解」を得ることが重要であります。
「それはわかるんだけど・・・どうしよう。困っちゃったな。」
天田さんからはなかなか了承が得られません。交渉は難航しています。次の段階として【対応レベル】を引き上げる必要がありそうです。
私が【火器使用による威嚇】を検討していると、ちょうどそこに順平さんが帰宅されたであります。
「ちーす」
「ああ、順平さん。良かった。」
ドアから入ってきた順平さんを見て、天田さんが助けを求めるように声を上げました。
「んー?どうした?天田少年。」
そう言うと、順平さんは笑いながらこちらに近づいて来たであります。
「アイギスさんが、コロマルの散歩についてきたいって言うんですよ。」
「おや!」
順平さんが大きく目を見開いてこちらを見ました。
「なあに?アイちゃん、散歩にいきたいの?」
「はい。私は人間と多くのコミュニケーションを取り、常識を身に着けることを命じられているであります。寮の中では情報収集に限界があるので、外の世界を観察する機会を増やす必要があると考えられます。」
「ははあ、なるほどね。そりゃーわかるけど・・・さすがに天田少年一人では荷が重いよなあ。」
順平さんはそう言って、天田さんの肩に手を回したであります。天田さんは少し窮屈そうな困ったような表情であります。
「それでは順平さんも、同行していただけないでしょうか。」
私は方針を変え、順平さんにもお願いしてみることにしました。
順平さんはキョトンとした表情で、自分の顔を指さして首をかしげました。
「順平さん、僕からもお願いしますよ。」
天田さんも一緒に頼んでくれました。コロマルさんも甘える声を上げてねだっているであります。
「ええー、コロマルまで・・・。なんだか俺、人気者? ・・・しょうがないなあ。それじゃあ、アイちゃんと天田少年の為にひと肌脱ぎますか。」
交渉の結果、ついに順平さんの承諾を得られました。これは大きな進歩であります。私はミッションの達成に対して、体が浮くような奇妙な感覚を得ました。その感覚は私にとって好ましいものでした。
「ありがとうございます。それではすぐにリードを用意するであります。」
「おっ、アイちゃんよくわ
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