暁 〜小説投稿サイト〜
Unoffici@l Glory
2nd season
16th night
[3/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初
人の青年は倒れ伏していた。

「あぁぁぁぁぁぁ…………」
「なんだ、もう疲れたのか?」
「当たり前じゃないですか……めちゃくちゃ疲れますよコレ」
「速いしピーキーだし油断すると直ぐに吹っ飛んで行きそうで……何回スピンしたか数えてないっすよもう」

 柴崎は軽く笑い、離れた所で煙草に火を付けた。後ろでは小型タンクローリーが3台に手際よく給油を行っていく。

「だが2人とも、この車のクセは完全に掴めたな。後はそれを使いこなすだけだ」
「うぇ……出来ますかね……?」
「できる。俺が教えてるし、君達の飲み込みも早い」
「ホントですか?」
「そうじゃなければあの時に声を掛けてない」

 自信満々な柴崎の態度に、未だ半信半疑といった様子で上体を起こした2人。

「1時間休憩したらまた走り出すぞ。これはウチの会社の看板だが、同時に君達のマシンだ。より深いところまで理解していけ」
「り……了解です!」
「よろしくお願いします!」
「いい返事だ。それじゃあ飯にしようか。社長が地元の店に弁当を頼んでくれてるらしいから、そろそろ届くだろう。せっかくの仙台だ。魚でも肉でも期待していいと思うぞ」



同日同時間の広瀬達。一通り話が済んだのか、広瀬は喫茶店の出入り口で取引先の相手を見送るところであった。

「こちらとしては以上です」
「ええ、結構。後の書類のやり取りに関しては直接詰めてください。お二人のスケジューリングは、ご連絡いただければこちらで致しますので」
「ええ、今日はお時間いただきありがとうございました。引き続きよろしくお願いいたします」
「とんでもない。こちらこそ、今後とも私広瀬を、どうぞごひいきに」

 別れてから自身のRX−8に乗り込むと、大きくため息をついて表情を崩した。この手の車を扱う人間に癖が強い者達が多いのは、その世界で商売をしている彼からすれば重々承知の上。

「あぁ、どっちも神経使ったワ、今回は……」

 愛車の中で軽く上半身のストレッチをすると、関節が悲鳴を上げる。年を食うのも悩ましいなどとぼやきながら、次の目的地に向かうべく車を出した。

「……あの人に相談にいったあの日にもう腹は括ってある。あのNSXとヤる前に、撃墜とさなきゃいけない奴がいる」



 またも柴崎達。青年達が車に適応するまで、それほど時間はかからなかった。日が完全に落ちた頃には、嬉々としてポルシェを駆りタイムを競う2人。

「よし、今日はここまでだ。こういう形で停めてくれ」

 社長の一声でサーキット中央でRが停められ、その前で交差するようにポルシェが停められる。佇む3台に投光器から強い光が放たれた。そしてそれぞれの車から降りる三人。

「何ですかコレ?」
「宣材写真ってやつだ。君達の
[8]前話 [1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ