助けてと彼女から
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ゲームは嫌いではない、だけど、それに集中しすぎると自分の大好きな小説を書く時間がなくなってしまう、そんな時、偶然、見つけたゲームはキャラクターが自発的に行動するというものだった。
アニメ、舞台の世界の中に自分の作ったキャラクターを送り出して、プレイヤーは、それを読むのだ、文字だけのゲームというのも面白いかもしれない、キャラクターが素敵なイラストで描かれていたら素敵かもしれないが、それだとイメージが固定されてしまうようで面白くないと思っていた彼女は、このゲームをプレイしてみようと思った。
容姿から性格を設定した後、キャラクターと貴方の関係はというメッセージが出た時、彼女は不思議に思った。
普通のゲームだと、キャラは自分を投影させるものが多いのだが、このゲームは違うらしい。
名前はジュスティーナ、これは残酷物語、あの有名なサド侯爵の小説のキャラクターの名前だ、ただ、鬼次では面白くない確か、彼女は十代ではなかっただろうか、このゲームはアダルト、十八禁要素もあるので、少し年上にしよう。
金髪の美女で男女問わずモテル、しかも誰とでも関係を持つ悪女といってもいいだろう、ゲームなのだからなんでもありだ、それに自分を投影させないというのがおもしろい。
自分との関係は友人、彼女はプレイヤーである自分を母、いや、家族の様に慕っている。
「手紙がきている」
パソコンを立ち上げなくてもゲームは進行しているという設定なのか、ジュスティーナは手紙、メールを送ってくる。
今日は、こんなことがあった、明日の予定はなどと。
「明日はオペラに行くつもり、新しい恋人とね」
えっ、確か三日前に結婚すると言ってなかった、新しい恋人ってどういうこと、恋多き女は忙しいのねと思いながらモニターを見る。
ゲームを始めて数日だか、ジュスティーナは成長している、プレイヤーとのメールのやりとりだけでなくサーバー内での他のキャラとの会話等が関係しているらしい。
日々成長していく彼女とのメールは楽しい、時折、メールには英語、ときにはフランス語を混ぜて送ってくることもある、意味が分からなくて調べたりするのだが、そんな事も楽しいのだ。
彼女はパリで恋人と一緒に暮らしているらしい、思わずフランス映画のアンニュイなイメージを想像して、ゾラやナナの有名文学ヲ買ってしまう。
パソコンのゲーム内のキャラクターだが、そこに生きていると思わせる彼女の存在はまぎれもない友人だった。
「今度、舞台を観に行くの、彼と一緒に楽しみだわ、五番の桟敷席でね、幽霊が出るという噂があるけど、面白そうだと思わない」
時計を見ると真夜中だった、こんな時間に彼女からメールが来るのは珍しいと思いつつ、気をつけてねと簡単な返信をしたのはよかったのだ、だが。
ああ、風邪をひいたかな、その日は体が
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