艦娘とスイーツと提督と・41
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ら長命寺餅と呼ばれる事もある。材料はあんこと塩漬けにした桜の葉、皮は餅ではなく小麦粉や白玉粉、上新粉等を水で溶いて焼いた物であんこを包んでいる。
《関西風桜餅》
全国的には桜餅というとこちらのイメージの方が強い。餅米から作る道明寺粉と塩漬けにした桜の葉、あんこと関東風と大差ないように見えるが、作り方は大きく違う。道明寺粉に水を加えて捏ねて蒸かし、餅(道明寺)を作る。砂糖と色付け用の粉を餅に練り込み、平らに延ばしてあんこを包んだら桜の葉で巻いて完成。原材料の道明寺粉に倣って別名道明寺餅と呼ばれる事も。似たようなお菓子に、桜の葉の代わりに椿の葉で上下を挟んだ椿餅というお菓子もある。
「……とまぁ、同じ桜餅でも似ても似つかねぇお菓子なんだよなコレが」
「でも面白いわ、同じ国で同じ名前のお菓子なのに見た目が違う。けれど、どちらも同じ花をモチーフにするなんて……日本人はサクラを愛してるのね」
「まぁ、確かにな」
ウチの連中は桜よりも桜の下で飲む酒を愛して止まない連中ばかりだが。
「それに、愛しい人と一緒に過ごす時間はとても有意義で尊い物だわ。そこに美味しいお茶とお菓子があるなんて最高の贅沢よ?」
そう言いながらウォースパイトがスススと隣にすり寄ってきて、コテンとこちらに体重を預けて微笑みかけて来る。ウチの嫁艦共は肉食獣の様に見境無く襲い掛かって来るからな、意外とこういうお淑やかな好意の向けられ方はされた事が少ないせいでちょっとドキッとした。
「ふぅ……それにしても、和菓子って結構お腹に溜まるのね」
「まぁ、原材料が米とか豆だからな。主食になりそうな物を甘味にしてると思えば不思議でもない」
ウォースパイトがお腹を擦っている。しかも、体重は俺に預けたままだ。普段からあまり俺に密着してこない奴がくっついてくると、馴れている筈なのにドキリとしてしまう。
「そういえば、桜餅の葉っぱは食べても大丈夫なの?」
「あ〜……桜の葉の塩漬けな。まぁ、食べても問題は無い」
「?……何だか含みのある言い方ね」
全国和菓子協会の見解としては、桜餅の葉は菓子本来の味を楽しむためには食べない方が良い、とされている。何故なら桜の葉の役割は餅に桜の葉の香りを移すのと餅の乾燥を防ぐ目的で巻かれている物であり、食用ではないとされている。更に、桜の葉の役割である香り付けの主成分・クマリン(球磨は関係ないぞ、念のため)は僅かにだが肝毒性(肝臓に害を及ぼす毒性)があるとされている。大量に食べなければ問題ないらしいが、あんまり食べる事はオススメしない。
「毒性があるの?それなのに食べようとするなんて、日本人の食べ物への探求心には驚かされるわ」
「まぁ、毒のある奴は意外と美味いからな」
河
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