第百四十四話 リスボン掌握その十一
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「丁度いいさ」
「それでは」
「ああ、運河も築いて」
「お米も」
「水田をな」
「増やしていきますね」
「今の戦が終わったらな」
即ち政の時はというのだ。
「そうしていこうな」
「それでは」
「ああ、後な」
久志はさらに話した。
「米ってこの浮島のは寒いとな」
「はい、どうしてもですね」
「植えられないな」
「上限がありますね」
「起きた世界だと北海道でも植えてるけれどな」
それでもというのだ。
「こっちの浮島じゃあそこまで寒いとな」
「お米は植えられないですね」
「ああ、だからな」
それでというのだ。
「この浮島でお米植えられるのは」
「ローマのある半島と」
「長靴のな」
久志はここでも自分達の本拠地と言っていい地中湖北岸中央部にあるその半島をこの呼び名で呼んで話した。
「そこと後は地中湖南岸に」
「東岸ですね」
「そこから北はな」
「無理ですね」
「ああ、ナイル川の辺りは大々的に植えられてな」
「それをはじめていますが」
「浮島全体にはな」
米の栽培を行うことはというのだ。
「無理だな」
「そうですね」
「俺としてはそうしたいけれどな」
「品種の問題で無理や」
あっさりとした口調でだった、美奈代は久志に話した。
「残念やけどな」
「大体ピレネー山脈から北はか」
「アルプス山脈もそやな」
「もうな」
それこそというのだ。
「麦か」
「あとジャガイモやな」
「主食にするのは」
「そうなるで」
「そうだよな、麦があるにしても」
ここでだ、久志は腕を組んだ姿勢で述べた。
「何といってもな」
「ジャガイモやな」
「ああ、あの野菜だな」
「そやな」
「ジャガイモがあるからな」
だからだとだ、久志は美奈代に話した。
「あれをもっともっと植えてな」
「ジャガイモ畑増やしてくな」
「ああ、開墾や開拓進めてな」
そのうえでというのだ。
「やっていくか、玉蜀黍もいいな」
「ああ、あれもやな」
「玉蜀黍は痩せた土地でも育つしな」
だからだというのだ。
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