第百四十四話 リスボン掌握その七
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「あいつが上手くやってくれたら」
「街は戦なしで手に入るわね」
「それでリスボンの周りもな」
この街だけでなくというのだ。
「そうなるさ」
「そうよね」
「ああ、あいつ次第だよ」
久志は確かな声で双葉に対して答えた。
「本当にな」
「吉報を待つわね」
「そうさ、吉報じゃなくてもな」
「今は待つ身ね」
「そうだよ、待とうな」
こう言ってだった。
久志はカルタヘナやバルセロナにも兵を送る用意をし今自分達がいるセビーリャからも軍勢を送ろうとしながら。
そのうえでセビーリャにいた、そして双葉と話した十日後だった。戦の用意を進めていた久志に順一から報が届いた。
その報を聞いてだった、彼は今そこにいる仲間達に話した。
「あいつは上手くやってくれたぜ」
「リスボンをやな」
「ああ、手に入れることが出来たぜ」
久志は美奈代に笑って答えた。
「無事にな」
「それは何よりやな」
「ああ、後はな」
「あそこをどないするかやな」
「とりあえず税は重くなかったら引き下げてな」
「うち等みたいにするな」
「他の政もな」
こちらもというのだ。
「していくな、ただな」
「ただ?」
「剛はあそこに軍勢ごと入れてな」
彼はそうしてというのだ。
「そこからな」
「動いてもらうか」
「ああ、そしてな」
久志はさらに話した。
「芳直は戻ってもらうか」
「それでかいな」
「出来たらカルタヘナとかバルセロナを湖からな」
「攻めてもらうんやな」
「ああ、そうしてな」
そうしてもらってというのだ。
「連合王国の港町を湖から押さえてもらうさ」
「ほなな」
「だからあいつは戻して」
そうしてというのだ。
「働いてもらうぜ」
「そういうことやな」
「それで主な港町からだよ」
「攻め上がっていくんやな」
「マドリードからな、今俺達は二十万の兵を置いている」
連合王国との戦いにこれだけの兵を持ってきているというのだ。
「これだけで連合王国より多いけれどな」
「ここでやな」
「ああ、さらにだよ」
「手を打つな」
「港町を抑えて」
「敵に軍船を造らせへんで」
「経済力も奪ってな」
港町が生み出す富、それをというのだ。
「そしてや」
「そのうえでやな」
「港町から川とかも使ってな」
「攻め上がるな」
「陸から行くよりもな」
「川を遡る方がええさかいな」
「そうしてくな」
こう言うのだった。
「これからも」
「自分川使うの好きやな、ええことや」
「水運使うと違うからな」
陸で行き来するよりもとだ、久志は美奈代に答えた。
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