暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第8章:拓かれる可能性
第238話「足掻け、限界を超えろ」
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「ふっ……!」

 気合一閃。レーザーを刃で斬る。
 それによって僅かに手が空いた魔力弾でイリスに牽制する。
 一瞬、予備動作なしの“闇”が繰り出されなくなる。

「そこまでです!」

 だが、次の瞬間、二人は上空からの砲撃と重圧のコンボで地面に墜とされた。
 他の神と同じく、ここに残っていた祈梨の仕業だ。

「それ以上は―――」

「……“邪魔させない”と?」

「それは、こちらのセリフです!」

 しかし、祈梨はすぐになのはと奏に手を出せなくなる。
 なぜなら、サーラとユーリが祈梨に襲い掛かったからだ。

「「ッ!」」

 すぐさま、なのはと奏は起き上がり、飛び退く。
 そのまま体勢を整える間もなく、さらに移動魔法で間合いを離す。

「(ギリギリ……!)」

「(危なかった……!)」

 寸前までいた場所を“闇”が呑み込む。
 ギリギリで躱せた二人だが、その緊張感に焦りが生じる。

「(まだ、時間を稼ぐ……!)」

「(司さんが、根源に繋げるまでは……!)」

 二人共、イリスに敵わないのは理解していた。
 だからこそ、時間稼ぎに集中する。
 否、隙を見つければ少しでも戦力を削ろうと奮闘していた。





「…………させない」

「ッ……!」

 だが、敵はイリスと他の神々、“天使”達だけではない。
 洗脳された優輝も、襲い掛かってくる。

「(皆を抜けてきた……!?)」

 イリスはなのはと奏が、神々の半分以上はとこよと紫陽が受け持っている。
 祈梨もサーラとユーリが抑え、残った神達も緋雪達が止めている。
 だが、優輝はその防衛網を瞬間移動で抜けてきた。
 根源に繋げようとしている司に、振るわれた刃を防ぐ術はない。

「ッッ……!」

「―――あたし達が、見逃すと思った?」

 故に、他の誰かが防げばいい。

「くっ……!」

 “ギィイン”と、刃同士がぶつかる音が響く。
 葵が司を庇うように割り込み、優輝の一撃を受け止めていた。

「貴方の相手は私達よ。優輝!」

 そして、椿が矢を連続で放つ。
 攻撃自体は瞬間移動で躱されたが、これで司から引き離した。

「司、急ぎなさい!」

「うん……!」

「優ちゃんは、あたし達が抑える!」

 椿が追撃の矢を放ち、葵がレイピアを生成しつつ肉薄する。

「(あたし達では、優ちゃんを抑えきれない)」

「(ただ足止めするだけじゃ、必ず突破される)」

「(だから……攻める!!)」

 椿が絶えず矢を放ち、霊術も放つ。
 その合間を縫うように、葵が息もつかぬ連撃を繰り出す。
 既に霊脈を使った術式で限界を超えた強化をしている。

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