第五十七話 卒業式その二十九
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「一体」
「それもわかるから」
「そうなの」
「何時かはね」
「何か何が全然」
「千里はこうしたことは全く駄目だけれど」
私には何が駄目かもわかりません。
「どうしても気付かないなら背中押してあげるわね」
「そうしてくれるのね」
「ええ、とにかく千里にとってあの子大きな存在になるわよ」
「只の後輩の子じゃないのね」
「多分ね。そで春休みに神戸に来たら」
その時はというのです。
「おもてなししないとね」
「絶対にそうするのね」
「そう、千里もその時が頑張りなさいね」
「何を頑張ったらいいのかしら」
そこがどうにもわかりませんでした。
「一体」
「そこもわかる様になればいいんだけれどな」
お父さんは運転しながら苦笑いでした。
「千里の一番苦手なことだな」
「そうよね」
お母さんは今度はお父さんの言葉に頷きました。
「どういう訳かね」
「三人姉妹で一番そうかもな」
「絶対にそうよね」
「何がそうなのかわらないけれどとにかく阿波野君がお家に来たら」
「そう、おもてなししてね」
「私にもなのね」
「その時は先頭に立ってもらうから」
ただおもてなしするだけでなく、というのです。
「わかったわね」
「先頭なの」
「千里がメインになるから」
だからだというのです。
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