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オズのハンク
第五幕その十

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「そうだったわ」
「そうでしたか」
「その時にお会いしたけれど」
「腹ペコタイガーさんそっくりの猫ちゃんもですね」
「ここにはいるわ」
「この子ね」
 クッキーは丁度猫じゃらしで遊んでいる子を見て言いました、クッキーがしゃがんで動かしているそれに前足を懸命に出しています。
「寅毛の子は」
「ええ、そうよ」
 その通りだとです、女神様も答えます。
「その子がね」
「寅毛のニホンネコですね」
「そうなのよ」
「この子は三毛猫で」
 神宝は自分が遊んでいるその子を見ました。
「ニホンネコの代表の一つで」
「白猫もそうだね」
 ジョージはエリカとはまた違う感じの猫と遊びつつ続きました。
「ニホンネコには多いね」
「それでトラ猫もね」
 ナターシャは茶色の毛の子と遊んでいます。
「その代表なのよね」
「ニホンネコも色々な毛の子がいて」
 最後に恵梨香が黒猫と遊びながら言いました。
「トラ毛の子も多いのよね」
「私はあらゆる外見の猫を愛しているし」
 女神様はその恵梨香達にも答えました。
「トラ猫の子なのよ」
「そうなんですね」
「そうよ、貴方が今可愛がっている子もね」
 カルロスが抱いているサビ猫を見ての返事です。
「皆大好きよ」
「猫の女神様だからですか」
「ええ、そうよ」 
 まさにその通りだというのです。
「だから全ての猫をね」
「愛されていますか」
「そうなのよ」
 実際にというのです。
「私はね、そして守護もしているわ」
 こちらもというのです。
「いつもね」
「それが猫の女神様ですか」
「愛と多産も司っていてね」
「昔は確か戦いも」
 ここでカエルマンが言ってきました。
「司っていたね」
「ええ、けれど今はね」
「戦いはだね」
「主にセト神とトト神の役目で」
 それでというのです。
「私はね」
「今はだね」
「その三つを司っているのよ」
 猫と愛、そして多産をというのです。
「本当に戦いはセト神とトト神がいるから」
「だからだね」
「私がすることではなくなっているのよ」
「そうなんだね」
「この二柱の神々がいてくれたら」
 それでというのです。
「偉大なるラーの御身も安心だから」
「太陽の神様だね」
「そうよ、我等の主神でもあられるわ」
「その神様の日々の船に乗っての世界の行き来をだね」
「それをちゃんとね」
「守っているのがだね」
「セト神とトト神で」
 それでというのです。
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