第五幕その七
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猫の頭の神様が出て来ました、その神様が皆に言ってきました。
「猫は私の神獣だからね」
「あっ、まさか」
「そう、私がバステトよ」
ハンクにすぐに名乗りました。
「猫そして愛と多産の女神よ」
「貴女がなんだね」
「そうよ、私もこのピラミッドの中にいてね」
そうしてというのです。
「祭壇を持っているのよ」
「それでその祭壇にはだね」
「こうして大勢の猫達もいるのよ」
「そうなんだね」
「いや、色々な種類の猫がいてね」
「可愛いわね」
ジョージとナターシャはもう猫達と遊んでいます。
「どの子も」
「人懐っこいしね」
「ここにいたら和めるね」
「凄くね」
神宝と恵梨香も猫達と遊んでいます。
「可愛いし」
「こんないい場所もピラミッドにはあるんだ」
「思う存分楽しむといいわ」
バステト女神は恵梨香達に笑顔で言いました。
「この祭壇ではね」
「はい、それで女神様は」
カルロスは猫達と遊びつつバステト女神に応えました。
「何の種類の猫かは」
「私の顔のね」
「何か山猫みたいなお顔ですね」
「これは最初と言っていいわ」
「最初ですか」
「そう、最初の頃のね」
こうカルロスにお話するのでした。
「猫よ」
「最初っていいますと」
「猫は古代エジプトではじめて生まれたものよ」
「あっ、家畜になったのは」
「そうよ、山猫みたいな種類の生きものを家畜化して」
そうしてというのです。
「猫になったのよ」
「犬と似てるわね」
そう聞いてです、ベッツイは言いました。
「犬は狼を家畜にしたから」
「そうね、それで古代エジプトではね」
バステト女神はベッツイにさらにお話しました。
「猫は神聖な生きものとされていて」
「大事にもなのね」
「されていたのよ」
「そうだったのね」
「そしてね」
「貴女はなのね」
「その猫の女神でもあるのよ」
ベッツイにその猫のお顔でお話します。
「神獣の守り神なのよ」
「では相当な地位にあるわね」
「ええ、エジプトの神々の中でね」
実際にという返事でした。
「そうなっているわ」
「そうよね、やっぱり」
「若し猫を粗末にしたら」
その時はといいますと。
「その時は容赦しないわ」
「神様とし手許さないのね」
「何があってもね」
実際にというのです。
「そうするわ」
「そうよね」
「古代エジプトでは猫は凄く大事にされていたことは事実だから」
「やっぱりそうよね」
「そう、そしてね」
「そして?」
「ここでは礼拝と一緒にね」
それにというのです。
「猫と遊ぶこともね」
「楽しんでもらうのね」
「思う存分そうしてね、ただ」
ここでバステト女神は笑ってこうも言いました。
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