第二部
選抜に向けて
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っ、ふぉっ。どうやら儂は居らん方が良さそうな雰囲気じゃのう。ここからの話は関係無さそうじゃし」
弥以覇は腰を上げ退席した。
「それじゃ本題に移ろうか会長」
向子に対し焔がニヤつく。
「だね。何で狂伯くんが居るのか話すよ」
彼女は席に着いて語り出す。
聞くところによると、彼は紫闇を始めとした『合宿』に参加する生徒の護衛として向子から依頼を受けたらしい。
「立華君って他国との親善試合はどういうものだと思う?」
紫闇は狂伯の質問に対して一般の感覚で常識的な答えを返す。
「同盟国同士が毎年行う友好を深める為の交流戦じゃないんですか?」
「うーん。普通のスポーツとか表向きの意味はそうなんだけどね。でも魔術師の場合だと裏の意味が有るんだよ」
焔は溜め息を吐いた。
「さっさと教えてあげれば?」
狂伯は彼女の言葉に応じる。
「他国の魔術師から【古神旧印】を奪って自国の【無明都市】を解放する為に利用するのさ。だから他の国にスパイや刺客を送り込み、親善試合に出場しそうな奴を襲う。俺が護衛役に来たのはそういうこと」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
無明都市の『階層』を解放した数。
それは国家の強大さを測る指標。
世界の共通認識。
日本は昨年までに4人の【魔神】が居た。
[暴食]
[気狂い道化]
[鉄拳の女帝]
[史上最強]
無明都市の階層は魔神になった魔術師の数だけ解放される仕組みになっている。
「去年の途中まではアメリカの5層目に次ぐ世界2位の記録だった。十分に特別扱いされるんだけど、だからこそ国際社会でも邪魔者なんだよ。どの国も表には出さないけどね」
しかしこの解放数に急激な変動。
日本に居た4人の魔神は世界中を探しても敵う者が居ないとまで言われていたが、突如として現れた4人の魔術師に倒されてしまう。
だが魔神を倒しても意味は無い。
魔神になると左手の【古神旧印】が完成し、それを引き換えにして無明都市の階層が一つ解放されるからだ。
彼等は4人の魔神を倒した後に駆けつけた日本軍の魔術師達を撃破して己の刻印を完成させ新たな魔神となっている。
「軍の魔術師は死亡者ゼロで気を失っていたり直ぐ治るような怪我だったから特にお咎め無く新たな魔神として認められたわ」
以前より更に強い魔神を得られた上に無明都市の完全解放まで達成できたので日本としては言うこと無しに4人を評価。
今や世界最強の国家となった日本は最も影響力・発言力を持つので更に他国から狙われる立
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