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提督はBarにいる。
棄てられた少女の歩む先は
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前さんが提督を追求した事は正しい事かもしれんが、もう少し利口なやり方があっただろうって言ってんだよ」




「まず、何故周りの艦娘に相談しなかった?」

「だって、皆を巻き込みたく無かったし、それに提督が不正をしてるなんて信じたくなくて……」

「その時点で間抜けだろうが。いいか、相手に直接問い質して追求する時ってのぁ、相手にぐうの音も言わせない状況下に追い込んでからするモンだ。どっかの探偵モノのアニメみたいに証拠を突き付けたからって犯人がベラベラと自供する訳ねぇだろバーロー」

「う……」

「それに、秘密ってのは共有する奴が増えれば増えただけ秘密じゃなくなる。1人を始末するより100人を始末する方が手間が掛かるからな、相手も手出しがしにくくなる」

 これは俺がよくやる手口。最近だとアメリカ相手にかましてやったった。

「どうだ?これだけでもお前が如何に間抜けだったか解ったろ?だがな、お前が一番やらかしちゃいけなかった間抜けはな………提督を信じた事だ」

「え……?」

 矢矧の目が点になる。

「提督に限らず人間ってのは狡猾だ。何しろ艦娘になる前のお前らを自由自在に扱ってたのは俺達人間なんだからな。お前らも人間の形をしているとはいえ、所詮は艦が人の形を取ってるだけだ。人間の知恵やら経験には全くオツムが追い付いてねぇんだよ」

「そんな……」

「人を疑え。人間の指示だけを鵜呑みにして動くだけならお前ら艦娘には頭脳も、心も、下手すりゃ人間の形になる必要すらねぇんだぞ?俺はウチの連中にそう教えてきた」

 俺の話を聞いて俯く矢矧。その顔の下には、ポタリ、ポタリと雫が垂れている。

「さてと、小難しい話は終わりだ。今度はお前さんの今後の話をしよう」

 矢矧からは俯いたまま返事がない。

「お前さんが取れる選択肢は3つ。1つ、艦娘を辞めて一般人として生きる。2つ、艦娘は辞めるがウチの鎮守府で事務方として就職する。ウチは万年人手不足なんでな、給料は弾むぜ?」

 反応無し。聞いていると勝手に判断して、話を進める。

「3つ、元いた鎮守府ではない別の鎮守府に教導艦として着任する。お前さんの経験を活かすならコレがオススメかな?……まぁ、後2〜3日は入院しててもらう。その間にゆっくりと考えるこった」

 じゃあな、と席を立ち医務室を出る。ドアがパタンと閉まった途端、中から啜り泣く様な声が聞こえてくる。

















 俺は胸ポケットに入れてあったスマホを取り出し、耳に当てる。

「聞いてたか?」

『無論じゃ。しかしお前さん、ちと手厳し過ぎやしないか?』

「うるせぇ、隠居ジジィが現役のやる事に口出しすんな。んで?や
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