暁 〜小説投稿サイト〜
おぢばにおかえり
第五十七話 卒業式その二十七

[8]前話 [2]次話
「アイドルになれるとか声優さんとかね」
「あら、そこまでなの」
「そう、本当にね」
 そんなことをずっと言われたことを思い出しています、後輩の子にそんなことを言われるなんてなかったです、他の誰にも。
「言われてるわ」
「それは相当なものね」
「私がなれる筈ないのに」
 そうした職業にはです。
「それなのに言ってくるのよ」
「なれないのは教会継ぐから?」
「というか私には無理よ」
 こうお母さんに答えました。
「そうした派手なお仕事は」
「いえ、千里なれるかも知れないわよ」
 お母さんの返事は少し真剣なものでした。
「お顔も声も可愛いから」
「そうかしら」
「相当って言ったけれど」
 さっきのお母さんの言葉です。
「このこともね」
「何かあるの?」
「あの子千里を見てるわねって思ったのよ」
「それで言ったの」
「ええ、千里のことをそこまで見てるなら」
 それならというのです。
「これはいいことよ」
「そうかしら」
「ええ、だったらあの子ともっとお話して」
「お話するの?」
「そう、今以上にお話しておみちのこともどんどん教えてあげて」
 そうしてというのです。
「いい先輩になってあげるのよ」
「いい先輩ね」
「千里が一年生の時に同じ部屋の人がいたよな」
 お父さんも運転しつつ前を見ながら言ってきます。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ