力を得た代償は・・・
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「ったく・・・余計な手間をかけさせてくれたぜ・・・」
地面に沈むシリル。額から大量の血液を流し、ピクリとも動かない彼を見て、ティオスはニヤリと笑みを浮かべる。
「お前を殺すと俺の力も半減するからな。この時代のレオンと一緒に、俺と同化するがいい」
再び目覚める・・・いや、息絶える前に自らの中にあるシリルの力と融合させようとするティオス。そんな彼の前に、小さな影が割って入った。
「もうやめて!!レオン!!目を覚まして!!」
「ウェンディ」
目に大粒の涙を浮かべシリルを守るために両腕を広げるウェンディ。ティオスはそんな彼女を見て、深い溜め息をつく。
「そこをどけ、ウェンディ」
「イヤ!!絶対どかないよ!!」
よく見ると足は小刻みに震え、顔面は真っ白になっている天空の巫女。その姿が映るティオスの瞳には、迷いの色が見て取れた。
(どいつもこいつも大事な時に出てきやがって・・・)
レオンの肉体を守っていたシェリアも、今こうしてシリルの体を守るウェンディも、かつての仲間であり大切な友人だった。それゆえに、いつも攻撃するのには躊躇いが生まれる。
(何を迷っているんだ・・・全員を殺すと決めたのは俺なのに・・・こいつらを見た途端に躊躇して・・・)
イライラと自らの甘さを痛感させられる。ティオスは拳を強く握りしめると、大きく息を吐き出す。
「残念だ、ウェンディ」
泣き出しそうなほどの恐怖に震える少女を見下ろし、心を落ち着けるティオス。彼は迷いを振り払うように、高く拳を振り上げた。
「お前はここで・・・死んでくれ!!」
躊躇いを生まないためにすぐさま腕を振り下ろすティオス。その手刀に対し、ウェンディは顔を背けない。
(シリルは私が守るんだ!!)
大切な人を守れるのであれば・・・ウェンディは恐怖に負けずに目を開けたままそれを見送ろうとする。
ガシッ
彼女を撃ち抜こうとした手刀。だが、それは突然何かによって阻まれた。
「ほう・・・なんだ、意識はあったのか」
ウェンディに下ろされようとした攻撃を受け止めたのは彼女の後ろに倒れていたはずのシリルだった。
「シリル!!無事だったんだね!!」
本来守ろうとしていた少年に守られた形になってしまったが、彼が目覚めていたことに安堵し笑みをこぼす少女。しかし、その彼女の言葉に少年からの返事はない。
グンッ
ティオスの腕を掴んでいるシリル。彼はその手を引くと、まるで人形を相手にしていたかのようにティオスの体が宙を舞い、地面に叩き付けられる。
「は?・・・一体何が・・・」
痛みも去ることながら、それ以上に何が起きたのか呆気に取
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