39 水浸しの町の復元
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いって言う願いも聞くかわからんし」
奈美子が補足した。その時、何かが飛んでこっちに向かって来た。
「大野くうん!!」
冬田だった。
「ふ、冬田!?何で来たんだよ」
冬田の突然の登場に大野は驚いた。
「だって大野君が心配だったからよお!」
「俺は平気だよ!」
冬田の暑苦しさに何も言えない一同だった。
「でも、水が干上がってるけど何があったのお?」
「ああ、俺の従姉が護符の力で干上がらせてくれたんだ。干上がった水はきっと水不足で困っている国で雨として降らせてくれるはずだよ」
三河口が答えた。
「ならよかったわあ。明日からまた学校で会えるわねえ!」
冬田は大野の手を掴んだ。大野はうっとおしそうな顔をしていた。
「送ってあげるわあ、大野くうん」
「いいよ、父さんに母さんと歩いて帰るから」
「そんなあ、恥ずかしがってえ」
困惑する親友に杉山が冷やかす。
「いよっ、お似合いだぜ!」
「杉山、お前まで・・・」
「けんいち、いいじゃない、お言葉に甘えたって」
「そうだね、折角送ってくれるんならいいかな」
「はあい!」
「ったく、父さんと母さんまで・・・」
結局大野は家族で冬田に送ってもらった。
「冬田さん、凄い積極的だよね。私だったらあんな事できないよ・・・」
「え?」
かよ子は杉山に聞かれて恥ずかしくなった。
「私はあんな事寧ろ断られそうで恥ずかしくてできないと思うんだ」
「そうか、でもお前も色々頑張ってたぜ。あの時お前達が飛行機に乗り込むのが遅かったら俺達もやられてたかもしれないんだ」
「杉山君・・・。でも私はまた私の問題に杉山君達を巻き込んじゃったし、すまないって思ってるよ」
「気にすんなよ、何かあったらいつでも協力してやる」
「杉山君・・・。ありがとう!」
「あら、さとしもかよちゃんを大切にしてるのね」
杉山の姉が話に入ってきた。
「ね、姉ちゃん!俺は山田とは同じクラスメイトとして接してるだけだよ!」
杉山は困惑した。
「さて」
かよ子の母はその会話をよそに奈美子に話しかけようとする。
「奈美子さん、私は杖を娘に引き継がせたし、さりちゃんも護符を使いこなす能力があったし、引き継がせたらどうかしら?」
「うん、そうね・・・」
奈美子は娘に護符を持たせた方が良いかもしれないと思った。
「さり」
奈美子は娘を呼ぶ。
「え?」
「この護符、元は私が使ってたんだけど、この先何が起こるか分からんし、持っておきなさい」
「いいの?」
「うん、でも本当に必要だと思った時に使うんよ」
「はい」
さりは母から護符を受け取った。
「それじゃ、雨も上がったから、戻ろうか」
「うん!」
皆はそれぞれの家に戻った。かよ子は自分の家に戻る。
「でも、
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