揺籃編
第十話 奇跡前夜
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あ、俺も」
「はい。ついでにサンドイッチも貰ってきます」
最近、ファーブルちゃんが可愛く見えてきた。つい後ろ姿を見てしまう。年上は苦手なんだけどな…あれ?俺の場合、ファーブルちゃんは年上なのか?年下なのか?…どっちでもいいか。
あ、食堂入口でドッジ准将が当番兵と話してる。…こっちに向かってくるぞ。
「どうしたんだ、二人とも…ああ、三人か、暇なのか?」
「正直、暇であります。立直が終わったので気分転換と思いまして」
「そうか…ところでウィンチェスター、試みに問うが…いや、止めとこう」
「何ですか?言いかけて止められると非常に気になりますが…」
ファーブルちゃんが気を利かせて(欲しくなかったが)、准将の分のコーヒーも持ってきた。…ほら、座っちゃったじゃないか、もう。
「お、ありがとう。…イゼルローン前哨宙域での戦闘なんだが、君はどうなると思うかな」
「分かりません。敵が優勢との事ですが、負けて欲しくはないです」
「それはそうだ。馬鹿な事を聞いた、申し訳ない。では…君ならどうするね?ダウニー司令の言う様に、君が本当にアッシュビー元帥の再来なら」
なんだ、ドッジ参謀も気分転換に来たのか。
「参謀殿、ちょうどその話をしていたんです。こいつ、俺なら戦わないって言うんですよ」
「戦わない…?」
オットー、煽るなよ…。
「面白いな、何故戦わない?」
ほら、こうなっちゃうだろ…。
「当初、戦いは味方の第3分艦隊四百隻と敵、帝国軍五百隻で始まりました。当然劣勢な味方は増援を要請します。当たり前ですが、それは敵も察している。敵としては増援が来るまでに第3分艦隊を撃破したい…」
「確かに」
「しかし味方が頑張った。膠着状態に持ち込んだ。となると敵は焦ります。何としても撃破するか、増援を呼ぶでしょう、しかしこの場合、敵が増援を呼ぶとは考えにくい」
「何故そう思う?」
「面子です」
「はあ?面子だと?バカな」
「そうでしょうか?…失礼な質問になりますが、参謀殿、この状況で参謀殿が敵の指揮官なら増援を呼ばれますか?」
「それは…呼ばないだろうなきっと。君の言う通りだ」
「でしょう?遭遇戦だから形は選べないにせよ、勝てると思った敵に攻撃を仕掛けて、撃破できないから援軍をください、とは常識人では中々言えない。まあそれは置いといて、味方が上手く膠着状態に持ち込んだ所に味方本隊が敵の左側面を突いた…」
「そして半包囲が成功し、殲滅手前で新たな敵が現れた。味方は半包囲を解いて新たな敵に対処しようとしている」
「そうですね。では何故新たな敵が現れたのでしょう?」
「恥を忍んで援軍を頼んだか、戦闘開始以降連絡がないから見にきたか…あ、すみません」
「いいんだ、バルクマン曹長。多分そうだろう。…だろう?ウィンチェス
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