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戦闘携帯のラストリゾート
抉り取られた悲壮の意思
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に愚痴をこぼして押しつけて。お母様が耐えきれずに首を吊るまで、自分とお母様の心を殺していることさえ気づけなかった馬鹿な娘だもの。私には、それほど人を傷つけて作る他人の笑顔に何の価値があるのか。あなたの理想にかまけてお母様を顧みなかった私をお母様がどう思っているかなんて、わからない」

 そうキュービは呟くと、合図のようにラティアスの瞳が光り、彼女の姿は消える。

『……キュービはお父さんの前で自分の瞳を抉って、その後彼が一番困る死に方をするつもりだったの。これが自分の復讐なんだって』
(一番困る死に方、って……?)

 わざわざ父親の目の前で彼と同じ青い瞳を抉る。それは紛れもない憎悪だ。しかも自分の命を捨てるなんて。
 キュービの体に、突然烈風がたたきつけられる。彼女が下を見ると。そこは地上の人が見えないくらい高いところにいた。
 もうチャンピオンも彼女の動きを止められない。
 ゆっくりと、瞳から真っ赤な血を流しながら彼女は歩いて。

『私が彼女を転移させたのは、あの一番大きな塔。フロンティアのもう一つの象徴であるバトルタワーのてっぺんから身を投げて、フロンティアから解放されたの』
(そんな……)

 確かに、あんな高いところから人が落ちてきて死んだら大事件になるだろう。しかもチャンピオンの娘で既に広告塔として頑張っていた人なら尚更。


「お客さん達、お父様、ダイバ君、それに────。残念だけどさようなら。せめて私の命で、誰かを苦しめる遊びが終わりますように」


 
 抉り出した青い瞳を握って、呪うように。こんなフロンティアは私の体もろとも廃墟になって砕ければよいと落下しながら考える彼女を見るのは、もう耐えられなかった。
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