後編
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間にホテルに着いた。
その後しばらくして、風花さんのナビに従い男性4人も駆けつけてくる。
そして、影時間が終わった。
強盗犯の男たちにしてみれば、影時間は存在していない。
大男が開けたドアからいきなり大勢駆け込んできたように思えただろう。
三人は、なんだかわからないうちにあっという間に拘束されてしまった。
縄を解かれ解放されたマコトも、状況が理解できず目をぱちくりさせている。
「どういうこと?」と聞かれて、僕は「ないしょ。」と片目をつぶって答えた。
美鶴さんが辰巳東交番の黒沢さんに連絡をとり、やがてパトカーが数台駆けつけてきた。
マコトのお父さんとお姉さんもいっしょに乗ってきて、マコト無事を喜んで彼女をを抱きしめた。
その姿を見て、僕はうらやましいと思った。
どうしても納得がいかない。
あの夜のできごとの記憶が、なんだかあいまいなのだ。
お姉ちゃんは、本当の危機に直面すると、人の記憶はあいまいになると言っていたけれど、本当にそうなんだろうか。
警察は既にあの場所まで突き止めていたらしい。大男がドアを開けたところで、変装して張り込んでいた警官隊が一気に突入してきた。そういうことになっている。
女性警官もいたようだけど、ラブホテルという場所だから、カップルを装っていたということなんだろうか。
しかし、それにしてはあまりに若過ぎなかったか? みんなまるで高校生のようだった。
それにケンはいったいいつの間に拘束をほどいて自由になっていたのか。それについてケンは何も教えてくれなかった。
なんだか化かされたような気がしてならない。
あの後、お父さんとお姉ちゃんからは、こってりとお説教された。
「市民の務めは通報まで、それ以上の危険な行為は逆に被害を増やすを危険性がある」ということ。
今回についても、警察だけで解決できたものを、私が首を突っ込んだせいで難しくしてしまった、ということだ。
もっともだと思う。
もし私がこうしたことで人を説得することがあったら、きっと同じように話すだろう。
確かに私は正常な判断ができていなかったのかもしれない。
でも、もしまた同じ状況になったとしたら、私は本当に同じ行動を取らずにいられるのだろうか。
もし自分の行動で犯罪を防げるとなったとき、踏みとどまれるだろうか。
力が欲しい。
もっと強くなりたいと思う。自分がすべきと思うことを迷わず実行できるように。何があっても自分の身を守れるように。
そして仲間が欲しい。ケンのような、本当に頼れる仲間が・・・。
後日、マコトから手紙が来た。
あの後、お父さんとお姉さんからすごく叱られたらしい。
沈着冷静なようでいて、火が付くと暴走してしまう熱いところがマコトにはある。
僕の方も、美鶴さん、荒垣さん、真田さんの3人からとことん説教
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