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ペルソナ3 ケン と マコト
後編
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で降りたところまでは警察に伝わっているわよ。ここはまだ巌戸台なんでしょ。」
私はペラペラと真実を告げる中に、さらっと嘘を混ぜた。伝えたのはポートアイランド駅までだ。しかし、もしこれを信じてもらえれば、相手の動きを牽制できる。
「自分の子供に探偵ごっこさせるとはな。大した警察官だ。」
大高は立ち上がると、吐き捨てるように言った。
「私が勝手にやったのよ。うまく通報すれば捕まえられると思って、調子に乗ってしまったわ。お父さんには後できっと怒られるわね。危ないことしたって・・・。
でも私からの連絡が無ければ、このあたりの警戒はますます厳しくなるわよ。とても逃げられないわ。」
男たちは顔を見合わせて、その後で私達から離れて何か相談を始めた。
「悪党相手に堂々としてるね。」
ケンが感心したように小声で言った。
「まあ、これであきらめて解放してくれるってことはないでしょうけどね。ここから動きにくくすることはできると思うわ。」
ケンは少し伸びあがって首をひねると、「もう9時過ぎだ。」と言った。
ベッドサイドにある時計を覗き込んだらしい。
お姉ちゃんの通報で、必ず警察が動いている。私からの連絡が無いから総動員で捜索しているはずだ。きっとこのあたりにも来るはず。なんとか時間を稼がないと。
「まあ、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。きっとなんとかなる。」
ケンが落ち着いた声で言った。
その言い方には妙な余裕があって、私は違和感を感じた。「度胸がある」というだけだはなさそうだ。
「どういうこと?何かあるの?」
「ちょっと考えがあるんだ。ともかく今はできるだけ時間を引き延ばそう。」
詳しい話を聞く間もなく、男たちが戻ってくる。
「打ち合わせは終わったの?」
私が声をかけると、大高は「別に問題ない。予定通りだ。」と短く答えた。
「どうしてお年寄りばかり狙うような、卑怯なまねをするのさ。」
今度はケンが訊いた。
「卑怯? 正々堂々と強いやつに挑戦する強盗がどこにいる?俺たちは慈善事業をしてるわけじゃない。金をため込んでいて、しかも弱い年寄りを狙うのは安全で合理的だろう。」
「だからっておじいさんにあんな大けがさせなくてもいいだろ。」
ケンの声が怒りを孕む。大高は渋い顔をした。
「抵抗されてな。こいつがかっとなって殴り倒しちまったんだ。お前らも口に気を付けないとただじゃすまないぞ。」
大高は土屋を指さして言った。
それから少しあきれたような顔をすると
「それにしても、お前たち、この状況でなんでそんなに落ち着いてんだ? 小学生だろ。普通、怯えるとか泣くとかするもんだろう。」と言った。
「騒いでも無駄だと言ったのはあなたでしょう。もうこちらからは何もできないんだから、大人しくあなたたちの出方を見ているしかないわ。」
私が答えると、
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