38 収まりゆく雨
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だったかなと、かよ子は思った
「はは、気にするなよ。もう公民館だよ」
かよ子の父は全く気にしていなかった。
「うん・・・」
公民館に到着すると、戦艦は役目を終えた為か光って消えた。
「けんいち!心配してたのよ」
大野の両親もその場にいた。
「ああ、父さん、母さん、ごめんな・・・」
「大野さん、ごめんなさい。私達が息子さんに人助けに協力させていただきました」
かよ子の母が弁解した。
「そうだったんですか・・・。どうもすみません」
その一方で、長山も家族と再会していた。
「おにいちゃん、あいたかったよ・・・」
「ああ、小春、お兄ちゃん、帰ったよ」
「大野、俺達も休もうぜ」
「そうだな」
「山田も眠いだろ。休めよ」
「うん・・・」
公民館は人がいっぱいでどこの会議室も人でいっぱだった為、階段や廊下で佇む者もいた。かよ子もたまたま空いていた廊下のスペースで大野や杉山、長山と仮眠した。
(杉山君と一緒に夜を過ごせるなんて・・・)
かよ子にとっては大変な夜であったが、好きな男子と夜を共にする事ができるのにはどこか嬉しく感じるのであった。
冬田はすみ子達を送っていた。
「ありがとう、冬田さん」
「ええ」
「また、会うかもしれないわね」
「そうねえ、また敵が襲ってきたら一緒に戦いましょうねえ!」
冬田はすみ子達を下ろし終えると、自分の家へと戻った。
(疲れたわあ・・・)
冬田はベッドに入るとすぐに寝てしまった。
翌朝、雨は小降りにまで弱まった。ブー太郎は夜の戦いの疲れから寝坊してしまった。
「いつまで寝てるんだいブー!?」
母に起こされた。
「ご、ごめんブー・・・」
「丸尾君から電話だよブー!」
「わ、分かったブー」
ブー太郎は電話に出た。クラスメイトで学級委員の丸尾末男の声が聞こえる。
「富田君、学級委員としてお知らせします。今日はスバリ、休校でしょう!!」
「分かったブー」
ブー太郎は電話を切った。深夜の戦いで疲れていたので学校が休みなのは嬉しいが、同時に大野や杉山達が心配でもあった。
かよ子が起きた時には午前8時を過ぎていた。
「お、山田も起きたか」
「お、おはよう」
かよ子は空腹感を感じた。
「はあ、お腹減ったな・・・」
「ああ、配給も来るかな?浸水した店の食料は多分駄目になってる筈だし、高地にある店とかの在庫があればいいんだが・・・」
そして、5分後、案内放送が流れる。
『皆さん、食料として付近のお店のパンを支給して参りました。玄関前で順番にお並び下さい』
「パンだってよ、大野、山田、長山、行こうぜ!」
「おう!」
「北勢田、俺達も行こうか」
「ああ」
皆は順番にならんで玄関前に停まったトラックに積んであるダンボール
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