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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
無印編
第21話:夢裂かれし者
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。
「止めろッ!? 止めろぉぉッ!!? 透は昨日の戦いで怪我してんだッ!? これ以上やったら本当に死んじまうッ!?」
「大丈夫よ。こう見えて魔法使いは常人より頑丈だから、この程度じゃ死にはしないわ」
「じゃあせめてあたしにやれッ!? 透はあたしを手伝ってくれただけなんだ!? だからやるならあたしをやれッ!?」
「ダメよ。あなた自分がやられるよりこの子がやられた方が辛いのでしょう? 言った筈よ、失敗したらお仕置きだって。辛くないお仕置きなんて意味ないわ」
そう言うとフィーネは再びスイッチを切り、柵の中のクリスに顔を近づけて血の様な色のルージュの引かれた唇を開いた。
「忘れるんじゃないわよ? あの子をここに置くよう頼んだのは、あなたよクリス。なら、あの子をここに置く事のメリットをあなたが証明してみせなさい。そう、私の命令をやり遂げると言う結果を見せて、ね。そうすればあの子は苦しまずに済むし、あなたの世界から争いを無くしたいと言う願いも叶えられるわ。簡単でしょう?」
そう告げるフィーネの目を、クリスは畏怖を含んだ目で見つめ返していた。彼女の視線に、クリスは全身を真綿で締め付けられるような錯覚に陥る。
クリスの恐怖を感じ取ったのか、フィーネは嗜虐的な笑みを浮かべてクリスの目の前でスイッチを入れる。
彼女が再びスイッチを入れようとしたのを見てクリスは咄嗟に手を伸ばすが、クリスの手がギリギリ届かない所でフィーネは電気椅子のスイッチを入れた。
またしても電流が流され、苦痛に歯を食いしばり全身を痙攣させる透。
声は上げずとも苦しむ彼の姿にクリスが悲鳴を上げると、不意に2人の目が合った。透が苦痛を堪えてクリスと目を合わせたのだ。
次の瞬間、透は信じられない事をした。電撃により激痛に苛まれる中、彼はクリスに向けて笑みを浮かべたのだ。常人なら意識を保つだけでも精一杯な状態で、確かに彼はクリスに向けて微笑みかけたのだ。
その様子を見て、フィーネは心底愉快そうに口を開いた。
「ほら見なさい、クリス! あの子は今、痛みを通じてあなたと繋がれて嬉しそうにしてるわ! 痛みだけが、人と人を繋ぐのよ。あなたにも分かるでしょ?」
笑みを浮かべる透にフィーネは歓喜の声を上げるが、クリスには分かっていた。あの笑みはそんなものではない。あれはもっと単純なものだ。
そう、自分は大丈夫だから気にするなと言う、クリスを元気付ける為だけに浮かべた、全ての苦痛を押し殺した笑顔。
それはクリスに、“2年前”のある光景を思い出させ涙を流させた。
口と喉から血を流し、血溜まりに沈みながらもクリスに微笑みかける透の姿を…………。
「止せ、止めろ…………止めてくれぇぇぇぇぇぇッ!?!?」
血を
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