中編
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バランスを崩して引き倒した。
そこまでは自然に体が動いた。
「でも、あの顔面パンチは合気道じゃないよね。」
「あれは・・・その・・・鉄拳制裁よ。」
ケンが小さく笑い声を立てた。
「そういうあなたも棒の振り回し方が堂に入ってたわ。何かやってるの?」
「ちょっと槍を練習してるから・・・。でもただのデッキブラシじゃ抑え込まれたらどうにもならないや。」
なんで槍? と思ったが、今はその話をしている時ではない。
「どうにか逃げ出すチャンスを見つけないとね。」
「強いね。女の子なら泣きだしてもおかしくないのに?」
「・・・本音をいうとかなり不安だわ。一人なら本当に泣いてしまったかも・・・。でもあなたがいてくれるから、頑張らないとと思えるの。」
「僕もそうだよ。マコトを助けないとと思うから、くじけないでいられるんだ。とにかくあきらめたらおしまいだ。僕ら二人のどちらでもいい、チャンスがあったら逃げ出して助けを呼ぼう。」
私は先ほどケンが引き倒されたとき、思わず駆け寄ってしまったことを思い出した。
あの時、一目散に逃げだしていたら、状況は変わっていたかもしれない。
「そうしましょう。今度こそチャンスは逃せないわ。」
やがて車がどこかに着いたようだ。
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