第二部
どうでも良い
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の注目が否応無く集まっている。
「うわぁ江神以外は揃ってるよ」
「マジで来てんじゃん」
「もしかして復讐しに!?」
「いや、的場とエンドは違うだろ」
「謝っといた方が良いかなあ……」
散々紫闇と彼を信じる聖持・エンド・春斗らを蔑んで馬鹿にしていたというのに今は怯えて目を合わすことも叶わなくなっている。
「居心地悪ー」
そう言った紫闇が振り向くと他の二人は実に晴れ晴れとした笑顔をしていた。
「完全に悪役だな。気持ち良いー!」
「ビビってやがんのw 超気持ち良い」
この状況を楽しんでいる聖持とエンドはやられ役のAとBが振る舞うように周囲を舐め腐りながら馬鹿にしていた連中のことを指さす。
「来やがったわねタチバナシアンッ! 夏期龍帝祭での借りは今回の訓練できっちりと返させてもらうわッ! あとそっちの二人もあたしの踏み台になりなさいッ!」
《クリス・ネバーエンド》が好戦的な笑みを向けて紫闇へのリベンジを口にする。
「全員集合ッ! 整列しろッ!」
そこに号令。
懐かしい顔と声。
赤髪、赤靴、赤ジャージ。
龍帝学園で一年の戦闘訓練を担当している教官《桐崎美鈴/きりさきみすず》
紫闇と顔を合わすのも二ヶ月半ぶり。
全員が彼女に従い列を作る。
美鈴は紫闇の顔を見て眉間に皺。
しかしそれは一瞬のこと。
直ぐに何時もの無表情へ戻った。
「今回の組み合わせは」
「はい教官。お聞きしたいことが有るのですが宜しいでしょうか?」
「エンド・プロヴィデンスか。貴様、私の言を遮るとは良い度胸をしているな……」
ドスの利いた声と鋭く据わった目で不機嫌に威圧する美鈴に対してエンドはへらへらした態度で用件を告げる。
「そんな邪険にしなくても良いでしょ。紫闇の扱いについて聞きたいだけです。実力的にはとーぜん一軍に入りますよね〜?」
美鈴は質問に口を噤ませた。
「当然だ。立華は私の言葉を覆して十分過ぎる結果を残したのだからな。あの時の立華に対して私の目が曇っていたとは言わんが今の立華なら認める」
(とは言え橘花との戦いを見る限り学園の戦闘教官が教えられることは無さそうだがな。既に私よりも、いや、日本で正規の軍属となっている魔術師でも勝てる者は三人も居ないだろう)
美鈴が手首を回すように態度を軟化させたことに対して紫闇は複雑だった。
以前はあれだけ厳しかったのに。
(まあエンドや聖持と手合わせ出来るならそれに越したことは無いからな)
今この場に居る人間の中で紫闇の相手になるのは二人だけ
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