第五章
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「あの」
「うん、何かな」
「今度お食事に行きたいと思っていますが」
「お食事に?」
「実は美味しいおうどんのお店のことを」
友樹がうどんが好きなのを聞いていての言葉だ。
「お父様から教えて頂いて」
「それでなんだ」
「ただ、そのお店の場所を地図で見ても」
実はわかっているがそれは内緒だった。
「わからなくて」
「そうなんだ」
「ここですが」
スマホからグーグルで地図を出して友樹に見せる、ここでもさりげなく彼に寄って刺激もしている。
「おわかりですか」
「あっ、ここなら」
「おわかりですか」
「ここよく行くから」
「そうですか」
友樹がよく遊びに行く場所なのも探偵から聞いていたがそれも内緒だ。
「私はその辺りはどうも」
「よく知らないんだね」
「行ったことがなくて」
このことは本当のことでありのまま話した。
「それで」
「じゃあ」
それならとだ、友樹はアリスとの距離にどきどきとしながら応えた。
「僕が案内していいかな」
「そうしてくれますか?」
アリスは友樹の言葉に今度は本心から明るい笑顔になって応えた。
「ではよかったら」
「うん、今度のお休みの時にね」
「案内してくれるんですね」
「一緒に食べよう、僕おうどん好きだし」
「それはいいですね」
ここでは知っていることは隠して応えた。
「では」
「うん、ここ鴨なんばもあれば」
「鴨なんばうどんですね」
「余計にいいしね」
「それでは」
「今度のお休みにね」
「一緒に行きましょう」
こう言って実際にだった、二人でその店に行き。
うどんを楽しんだ、友樹は大好物の鴨なんばうどんを食べたがアリスは個人的に好きな天婦羅うどんではなく彼に合わせた。それでも味を楽しむことが出来。
食べてお店を出て美味しかったねと話してからだった、アリスは友樹に誘いをかけた。
「案内してくれたお礼に」
「お礼に?」
「はい、クレープの美味しいお店に行きませんか」
「クレープなんだ」
「はい」
友樹ににこりと笑って答えた。
「そちらに」
「僕実は」
友樹はアリスの今の言葉に明るい顔になって応えた。
「クレープもね」
「お好きですか」
「大好きなんだよ」
「そうでしたか」
「だからね」
それ故にというのだ。
「おうどんの次にクレープなんて」
「素敵ですか」
「とてもね」
まさにというのだ。
「そんな気持ちだよ」
「それは何よりです」
アリスはにこやかに応えた、だが。
そのにこやかな笑顔の裏では別の笑顔があった、悪意はないが。
満面の笑みでにんまりとしていた、実は彼がクレープも大好物であることを調べていた、それで裏ではその笑顔だった。
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