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ペルソナ3 ケン と マコト
前編
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空いていて、まばらに座っている人がいる程度だ。これなら見失うことはなさそうだ。
私は距離を置いて席に座った。
ともかくなんとか次のチャンスを見つけよう。
相手から目を離さずに、心を落ち着けようとしていると・・・
「あのさあ。」
「きゃっ。」
いきなり声をかけられて、私は飛び上がりそうになった。

その日、僕はポロニアンモールまで足を延ばして買い物をした後、ポートアイランド駅まで戻ってきていた。。
駅前の映画館の外では、いつもモニターに公開中の映画の予告編を流している。そこを通りかかったところで、聞き覚えのあるテーマ曲が聞こえてきて、僕は足をとめた。
ちょうど劇場版「不死鳥戦隊フェザーマン」の予告編が始まるところだった。
思わず足がそちらに向いてしまう。
新たな強敵。そして敵か味方か、謎の新キャラの登場。主人公たちに襲いかかるピンチ。
映画版とあって特撮も派手で豪華だ。前から気になっていた映画だが、こうして見るとやっぱりかっこいい。これはどうしても観に行きたい。
僕はワクワクしながら映像に見入った。
しかし映画料金は小学生には高すぎる。しかも小学生だけでは映画を観に行くこともできないので、誰か同伴者を探す必要がある。なかなか前途多難だ。
予告編が終わって他の映画のものに代わる。何本かの映画の予告を繰り返しやっているようだ。
少し待ってもう1回観ようか・・・と考えていると・・・
いきなり「ちょっといいかしら?」と声をかけられてドキリとした。
振り向くと見知らぬ女の子がいた。僕と同い年くらいか?
ショートヘアにオーバーオールのスカート、少し大人びた感じの整った顔立ち。生真面目そうな雰囲気だ。あだ名をつけるなら『委員長』って感じかな。
フェザーマンに見入っているところを見られて、(子供っぽいと思われたか?)と思うと少し恥ずかしくなった。
「携帯電話をかけさせてもらえない?お礼はするわ。」
その切り出し方はいささか唐突で強引だった。口調は切羽詰まった感じで、なんだか余裕の無い雰囲気だ。
何かに困っているのか、もしくは急用でもあるのかもしれない。こちらに有無を言わせない気迫は、まさに『委員長』という感じだ。
僕が、幾月さんに持たせてもらっている緊急連絡用の携帯電話をポケットから出すと、『委員長』はそれをひったくるように手に取って、慌ててどこかに電話をかけだした。
「お姉ちゃん。・・・あいつを見つけたの。お父さんが追っている強盗の一人。」
あっけにとられていたら、なんだかいきなりとんでもないセリフが飛び出した。
驚いて『委員長』を凝視する。彼女の方は、話しながらも駅前の広場を見つめている。
僕もそちらに目を向けると、黒っぽい服を着たサングラスにマスクの男が、立ったまま携帯電話で話をしていた。
あいつが強盗?

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