TURN35 マレー侵攻の前にその六
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トンガはだ。すぐにだった。
駐留しているエイリス軍の僅かな植民地艦隊は一蹴された。小澤は無血入城を果たしたトンガにおいてだ。トンガ自身にこんなことを言われた。
「あの艦隊をあっという間になんだ」
「どうということはなかったです」
小澤はいつもの無表情で淡々とトンガに答える。
「無傷でやっつけちゃいました」
「ううん、凄いね」
「旧式艦ばかりで数も少なかったですから」
二個艦隊しかなかったのだ。トンガには。
「どうということは」
「そうなんだ。けれど僕はね」
「はい。日本帝国に占領されました」
そうなったことをだ。小澤はトンガに告げる。
「とりあえずですが」
「日本に協力して欲しいっていうんだね」
「そうして頂いて宜しいでしょうか」
「うん、いいよ」
トンガは微笑んで小澤に答えた。
「じゃあそういうことでね」
「ではお願いします」
「これでトンガの治安は大丈夫だね」
南雲はトンガが日本への協力を快諾したのを見て明るく述べた。国家が入るとその星系の治安は無条件で最高のものとなる。国家の協力は大きいのだ。
「何の憂いもなくマレーや四国に迎えるね」
「そうだね。けれどね」
トンガはここで南雲と小澤にこう釘を刺した。
「僕はエイリス軍が来たら彼等に降るからね」
「そしてエイリスに復帰するというのですね」
「それがルールだから悪く思わないでね」
「はい。そのことは承知しています」
小澤はこのことも淡々とトンガに答える。
「ですから御気遣いなく」
「そういうことでね。とにかくね」
「はい。では今のところは」
「日本に協力するってことでね」
「お願いします」
こうしてトンガはあっさりと日本に協力することになった。そしてだった。
インドネシアもだった。そこには日本軍の主力が向かっていた。その主力を率いる東郷にだ。
日本がだ。己の乗艦からモニターを通じて尋ねていた。
「インドネシアからすぐにですね」
「ああ、いよいよマレーの虎だ」
そこに入るとだ。東郷も答える。
「敵の東南アジア方面の主力が展開している」
「他の東南アジア、オセアニアのエイリス軍の数は少ないですが」
しかも装備も旧式だ。実際のところ大した相手ではなかった。
「ですがマレーはですね」
「装備もよければ数も充実している」
東郷は言う。
「最初の正念場になる」
「ですね。だからこそ」
「インドネシアは資源が多く人口も多ければ広い」
だが、だというのだ。
「駐留している艦隊は他の植民地と同じだ」
「ですから大した戦力ではないですが」
「しかしインドネシアからマレーに入る」
それならばだというのだ。
「戦力は必要だ」
「しかも無傷で入らないといけないですね」
「ラバウルを占
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