第一章
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力が全て
そこはスラム街だった、それも只のスラム街ではなかった。
文字通りの無法地帯だった、警察も入らず自警団なぞも存在せず。
腕っぷしが強くピストルや拳銃を使うのが上手い者達が何もかもを好き放題にしていた、腕力の弱い者達は隅っこで震え暴力や収奪に怯えていた。
力のある者達は弱い者から好きなだけ奪っていた、法律や正義は何処にもなく暴行や殺人、放火、強姦、薬物、窃盗、そうしたものが常に何処かで起こっていた。
ギャング達がスラム街のあちこちでそれぞれのシマを仕切っていた、そんな状況であり。
ギャング団の中でもとりわけ凶暴で勢力の強いジャイアンツという組織の中でも抗争があった、その彼等の中で。
ファースト=ハラキヨセンは柄の悪い顔を顰めさせてこう言っていた。
「おい、次はや」
「はい、あいつ等ですね」
「エンチューの一派ですね」
「あの連中をバラしますね」
「そうしますね」
「そうするわ」
丸坊主で面長の日焼けした顔と白い頬髭が人相の悪さを余計に際立たせている、一八八ある身体は腹が不健康に出ているが筋肉はある。服の下には悪趣味なタトゥーがある。ジャイアンツの中でも特に獰猛で凶暴な男と言われている。趣味は酒と覚醒剤に人を殴ること、幼女の強姦という男である。
「そやから今からや」
「はい、出入りですね」
「あいつ等のアジトに行って」
「そうしてですね」
「皆殺しですね」
「そうしてや」
ハラキヨセンはさらに言った。
「あの連中のシマとものはな」
「俺達のものにしますね」
「全部」
「そうしてやりますね」
「そや、エンチューの女房と娘はや」
五歳になる娘がいることは知っていてだ、ハラキヨセンは下卑た好色な笑みを浮かべてこう言った。
「わしのモンにする、他の奴の女はな」
「娘もですね」
「俺達がそれぞれ手に入れていいですね」
「そうしても」
「お前等のもんにしてもええしヤク漬けにして売り飛ばしてもじゃ」
その様にしてもというのだ。
「好きにするんや、そして奴等の金はな」
「全部山分けですね」
「そうしますね」
「そっちは」
「そうじゃ、ほないくぞ」
こう手下達に言ってだった、ハラキヨセンは車を出させてエンチューのアジトに向かった。その途中彼等は車を全速力で飛ばし人を撥ねていたが一切気にしなかった。ここでは車で人を撥ねて死なせても問題でないのだ。
それでだ、車を飛ばして。
突き止めたエンチューのアジトに殴り込みをかけた、この際ハラキヨセンは先頭に自分達の薬で俳人になった女子供達を先頭に立たせて盾にしていた。皆彼等がおもちゃにしていたか力のない者達から金を毟り取る為に無理に使わせて打たせて中毒にさせた者達だ。
女子供達はすぐに銃撃で
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