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妖しきハーレム
第五章

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「だから今宵も」
「そしてこれからも」
「そうして頂けるのですね」
「そうよ、ではね」
 アランソは美女達と肌を重ね合わせた、そうして。
 風呂から出てもだ、メイド達に身体を拭かせたうえで絹の薄い衣を身にまとってだった。
 天幕付きの巨大なベッドがある自身の寝室に入りそこでだった。
 コンスタンツェをはじめとした妻達に囲まれた、そこで一人の赤毛のういういしい美女を見て彼女に声をかけた。
「貴女が新しく入った」
「はい、マーガレットと申します」
 美女、二十歳位の彼女が答えた。
「宜しくお願いします」
「これからね。ではね」
 アランソは名乗った美女に自分から声をかけた。
「来て」
「宜しいのですね」
「私がいいと言ったのよ」
 屋敷の主である自分がというのだ。
「ならいいのよ」
「それでは」
「ええ、貴女から愛するから」
 今宵のベッドの中ではというのだ。
「来て」
「わかりました」
「愛の対象は一人とは限らないし」
 差し出された上等のガラスのグラスに入った白いシャンパンを飲みつつだった、アランソは話した。
「異性でなくては駄目ということもないわ」
「女同士でもですね」
「むしろ女同士だからこそよ」
 アランソは妖艶な笑みを浮かべて美女に答えた。
「本当の快楽を知っているのよ」
「同じ性だからこそ」
「そうよ、お互いの身体と心を知っているからこそ」
 こう言ってだった、アランソはシャンパンを周りの女達に手渡してから自分のところに来た美女の服を脱がせた。
 そうして自身も脱ぎ宴に入った。その宴の後は。
 少しだけ寝て朝食を食べて自身の仕事の場であるエウロパ中央政府副首相官邸に入った、入ったその時に昨夜交わった妻達の体臭と香水の香りを自分の肌から感じた。そうして微笑みつつ自身の執務室に向かうのだった。


妖しきハーレム   完


                2019・8・16
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