第三章
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二人でそれぞれのものを飲んでたべつつだった、瑠璃は柘榴に目を向けて彼女に問うた。
「宜しくて?」
「いいわ、何かしら」
「貴女に聞きたいことがありますの」
「何でも聞いて」
「では何でも答えてくれますわね」
「瑠璃には何でも答えるし嘘吐かない」
これが柘榴の返事だった。
「何があっても」
「幼馴染みからでして?」
「他にもあるけれど」
「他にも。まあとにかくですわ」
柘榴の言葉にどうも引っ掛かるものを感じつつもだった、瑠璃は彼女が何でも答えると言ったのを受けてだった。
自分もだ、こう約束した。
「わたくし貴女の返答は誰にも言いませんわ」
「そうしてくれるの」
「わたくしは誰にも嘘は言いませんけれど」
そして約束を破らない、それは彼女のプライドが許さないのだ。
「貴女にもですわ」
「それじゃあ」
「ええ、お話して下さいませ」
こう柘榴に言った、すると。
柘榴は一呼吸置いてだった、瑠璃にこう答えた。
「私瑠璃のこと好きだから」
「えっ!?」
「だから瑠璃のことが好きだから」
自分の言葉に驚く瑠璃にさらに言った。
「恋愛で」
「あの、恋愛といいましても」
すぐにだ、瑠璃は柘榴に言葉を返した。今は二人の周りには誰もいなくて会話を聞かれないことに感謝しつつそうした。
「わたくし達は女の子同士で」
「そうね」
「お互い交際していますけれど」
「わかってるわ」
「それでもですね」
「交際してるけれど男の人で」
その相手はというのだ。
「女の子はまた別だから」
「それで、ですね」
「男の子はあの人」
自分の交際相手だというのだ。
「そして女の子は」
「わたくしですの」
「そう」
こう瑠璃に言うのだった。
「好きだから」
「けれど貴女わたくしによく」
「それも答える、よくあることだけれど」
柘榴にあらためて言うのだった。
「好きな相手程」
「子供によくあるあの」
「どうも私もそれで」
「意地悪しますの」
「そうしたこともわかったから」
今の自分を見てというのだ。
「私は」
「幼馴染みで女の子同士ですのに」
「駄目かな」
柘榴は瑠璃を横目で見つつ彼女に問うた。
「このことは」
「そう言われましても」
どう答えていいかわからない、正直そう思いつつ瑠璃は柘榴に答えた。
「どう申し上げるべきか」
「困ってるの」
「女の子にそう言われたことはないので」
「だからなの」
「どうにも」
「一緒にいていいかな」
自分への気持ちに戸惑う瑠璃にだった、柘榴は問うた。
「これからも」
「そう、ですわね」
返答には困ったままだ、そのうえでだった。
瑠璃は柘榴に必死に言葉を選びながら答えた、その返事はというと。
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