第二章
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「特にフクロウナギが」
「ですからわたくしは好きでないので」
「そうなの」
「今度から送らないで欲しいですわ」
「それは残念」
「残念ではありませんわ、もう二度とですわ」
瑠璃は柘榴に怒った顔で告げた。
「深海魚の画像なんて送らないで下さいませ」
「じゃあ日本ハムファイターズが負けている場面」
瑠璃は日本ハムファンだ、尚柘榴はロッテファンだ。
「それを」
「それもいいですわ、とにかくどうしてですの」
瑠璃は柘榴に怒った顔のままあらためて言った。
「わたくしに何かとしますの」
「気にしない」
「気にしますわ、とにかくもうそんなことはしないで下さいませ」
何度も言う瑠璃だった、だがそれでもだった。
柘榴は瑠璃にちょくちょくちょっかいをかけたり軽い意地悪を仕掛けたりした、そうして何度もだった。
瑠璃も怒ったが柘榴は行いをあらためない、しかし瑠璃が内匠と一緒にいたりする時は近寄って来ないし何もしない、これは彼女が忙しい時や友人と一緒にいる時もだ。
瑠璃が一人だけになったり二人きりになった時に仕掛けてくる、それで瑠璃はそのことに気付いた時に柘榴に声をかけた。
「今日のお昼空いていまして?」
「瑠璃が空いてるなら」
それならというのが柘榴の返事だった。
「空いている」
「おかしな返事ですわね」
「それでも空いているから」
「そうですのね、では」
「何処で食べるの」
「中庭は如何でして」
そこはどうかとだ、瑠璃は柘榴に提案した。
「そちらは」
「じゃあそこで」
「わたくしお弁当を作ってきていますし」
実は家庭的である、それで内匠の分も作っているが今日はあえて内匠に無理を言って後で絶対に行くと言ってまずは柘榴と一緒に食べることにしたのだ。
「それでは」
「私はパン買ってるから」
「ではそれをですわね」
「食べるから」
それでというのだ。
「一緒に」
「召し上がりましょう」
「わかった」
柘榴は少し微笑んで瑠璃に答えた、そうしてだった。
昼に二人で中庭で昼食を食べることにした、この時瑠璃は巧を生徒会室で待たせているので出来るだけすぐに柘榴とのことは済ませようと思った。そうしたことを考えつつ。
その昼に柘榴と二人並んで中庭のベンチに座って食べた、瑠璃の弁当は数個のお握りに昨日の晩ご飯のおかずの塩ジャケに人参と牛蒡の炒めもの、プチトマトに苺だった。飲みものはペットボトルの麦茶である。柘榴はツナサンドやハムサンドといったものに牛乳だった。
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