第三章
[8]前話
マナーの悪いお客さん達は大人しくなるかお店に来なくなってお父さんの腰はかなりよくなり兄はネット動画に夢中になった。
先輩と後輩は仲直りし数学は先生の話を聞かなくても普通の成績を維持出来て厚生委員会の仕事も終わった。私の高校生活は穏やかなものに戻った。
それで私はほっとしてまた友達に話した、今度は体育の授業中に。
「お陰で平和になったわ」
「ごちゃごちゃしなくなったのね」
「かなりね」
「それはよかったわね」
「本当にね」
もう色々あってごちゃごちゃしてそれが心の中でモザイク状になっていてどうしていいかわからない状況になっていたけれどだ。
「それがね、ただね」
「ただ?」
「今気付いたけれど」
友達と私のそれぞれの体操服姿を見た、上は白の体操着で下は赤の半ズボンだ。
「私最近太った?」
「そう?」
「何か太腿のところとか」
友達と私の半ズボンから出ている太腿を見た、どう見ても私の方が太くてムチムチとしている。
「そうなってない?」
「気のせいでしょ」
「気のせいじゃないわよ、陸上部でこれは」
毎日熱心に部活も頑張っているのにだ。
「まずいわね」
「じゃあダイエットね」
「そうみたいね」
今度はこちらの悩みだった、悩みをあらかた解決出来た徒思ったら今度はこちらのことだ。けれど今度は色々な悩みでなくてそれは一つだった。それで私はそれならいいかと思いつつも真剣にダイエットのことを考えだしていた。人間は結局悩みが尽きない生きものなんだろうかとこの前読んでいた本に書かれていた言葉を思い出しながら。
モザイクの城 完
2019・9・1
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