第四章
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社内での評判はさらに悪くなってだった、ここから彼の様々な揉み消したり他人に擦り付けていた不祥事がわかり。
「クビにはならなかったがな」
「それでもなのね」
「ああ、減給十年五十パーセント、ボーナス全額カットになってな」
そしてというのだ。
「そのうえで左遷だ」
「あの島に」
「奥さんも完全に怒ってな」
「離婚ね」
「慰謝料も請求される」
「完全に終わったのね」
「クビにならないだけましだ」
夫は吐き捨てる様にして言った。
「本当にな」
「そうよね」
「とにかくな」
夫はさらに言った。
「後は猫ちゃん達のご飯はあるしな」
「世話をしていくだけね」
「八匹になったんだ、賑やかになるな」
「本当にそうね」
「名前は何だったか」
「お母さん猫はカナっていって」
妻は枝野の別れる妻から聞いた名前を話した。
「子供達はそれぞれ名札のある首輪を今日猫ちゃん達にかけてくれながら教えてくれたわ」
「そうなんだな」
「女の子がティナ、ルリ、アミでね」
「それで男の子は」
「ユウマ、ヨシハル、シュウイチっていうらしいわ」
「そうか、わかった」
「ええ、じゃあね」
妻はその猫達を見つつ彼等に声をかけた。
「これから宜しくね」
「ニャア」
「ニャン」
「ナーーオ」
「ミャア」
「ニャーーン」
「ニャンニャン」
「クウ」
猫達はそれぞれ応えた、見れば確かにそれぞれ首輪がある。そしてよく見れば一匹一匹違いがある。
夫もその猫達を見る、そうして言うのだった。
「命は人も生きものも同じだ、大事にしないとな」
「本当にそうよね」
妻も頷いた、そのうえで猫達を見守るのだった。二人は息子達と共に八匹の猫達と暮らした。そこまで猫が増えれば社宅では狭いので一軒家を買って移ったがその暮らしはとても賑やかで楽しいものだった。
七匹の命 完
2020・2・28
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