第三章
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「それじゃあ今からな」
「倉庫に行って」
「様子を確かめるか」
「それじゃあね」
妻も頷いてだ、二人で社宅である団地の横の掃除用具が入れてある倉庫の鍵を団地の自分達の棟の管理責任者の人から借りてだった。
壮尾を開けて中に入るとだった、そこには。
七匹の三毛猫達が一つに固まって小さくなっていた、夫はその猫達を見てすぐに言った。
「捨て猫だな」
「七匹いるわね」
妻は蛍光灯で彼等を照らして言った。
「全部で」
「皆三毛猫だな」
「そうね」
「七匹の三毛猫、まさか」
「枝野さんが」
「あいつ転勤するな」
「それでその時連れて行く気ないから」
妻も言った。
「それでここに捨てたの」
「あいつなら普通にやる」
「そういう人みたいね」
「だからな、管理責任者の人にも聞くか」
「若し枝野さんが借りていたら」
「クロだ」
そう思って間違いないというのだ。
「だからな」
「ここは」
「まずは猫ちゃん達を保護してな」
「このままじゃ放っておけないから」
「そうしてな」
そのうえでというのだ。
「管理責任者の人達に尋ねるぞ」
「それがいいわね」
妻は夫の言葉に頷いた、こうしてだった。
二人はすぐに猫達を保護した、七匹共まずは自分達の部屋に入れてだった。
そうしてから管理の人に聞くと実際に彼は借りていた、それでだった。
夫は枝野の部屋に怒鳴り込んでことの一部始終を問い詰めた、すると彼はしれっと転勤するからジ邪魔だからと答えた。そして猫位何ですかと言ったので。
激怒してこのことは上に話すと言って彼の前から去った、そうして妻に怒りながら言った。
「あいつが捨てていた」
「やっぱり」
「転勤だから邪魔だから捨てたらしい」
「本当に酷い人ね」
「猫ちゃん達は欲しいならどうぞだった」
「本当に自分以外はどうでもいい人なのね」
「あいつのことは上に話すが」
それでもとだ、夫は言った。
「問題はだ」
「猫ちゃん達ね」
「うちで引き取る」
即座に言い切った。
「それでいいな」
「そうね、放っておけないし」
「うちは皆猫好きだしな」
このことは息子達もだ。
「だからな」
「引き取るのね」
「そうする、モリーもそれでいいな」
「ニャア」
丁度傍にいたブルーシルバーの毛のペルシャ猫が鳴いて応えた、夫はそれをいいという返事と受け取り言った。
「じゃあな」
「猫ちゃん達は今日からうちの子達ね」
「そうする、本当に命を何だと思っているんだ」
「世の中そうした人もいるのね」
「ああ、あいつの処分は転勤だけで終わらないからな」
事実上の一生の左遷に留まらないというのだ。
猫達は二人の家で飼われることになり夫は会社で枝野が猫達にしたことを会社の上の方
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