第68話
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いてユーゲント三世に対して”怒り”や”失望”等といった感情は芽生えなかったのか?あの男は”王”でありながら、エレボニアに巣食う”呪い”を自分がどうにかすることを諦めた挙句、大陸全土を戦乱の時代へと導こうと画策する男に”全て”を委ねた結果、お前達は重心から決別され、仲間を失った。お前達が今の状況に陥っている原因の一つが鉄血宰相に”全て”を委ねたユーゲント三世の判断によるものなのだが?」
「それは…………」
「ユーゲント陛下にも色々と複雑な事情がおありでしたし、それに何よりも陛下は今の状況に陥っているのがご自身の判断であると仰い、わたし達に対して謝罪までされました。ですから、今の状況に陥っている原因をユーゲント陛下に全て押し付けるような事を仰っているヴァイスハイト陛下のお言葉はユーゲント陛下に対してあまりにも惨いと思われます……!」
ヴァイスに問いかけられたガイウスが複雑そうな表情で答えを濁している中、トワは真剣な表情で反論した。
「”惨い”?――――――俺は”当然の事”を言ったまでだ。メンフィル皇帝であった頃のリウイを近くで見ていたエヴリーヌならば俺の言っている事も何となくだがわかるのではないか?」
トワの反論に対して静かな笑みを浮かべたヴァイスはエヴリーヌに話を振り
「ん。あんな弱っちい男、王様としての資格はないね。エレボニアであんなのが王様になれるんだから、オリビエが王様になった方がまだマシなんじゃない?」
「そりゃお前みてぇな”化物”からすれば、ユーゲント陛下に限らず誰でも”弱く”見えるんだから、魔神を基準にするのは色々と間違っているだろ……」
ヴァイスに話を振られてヴァイスの答えに肯定しているエヴリーヌの答えを聞いたクロウは呆れた表情で指摘した。
「別にエヴリーヌは”力”がないからオリビエのお父さんを”弱い”って言っている訳じゃないよ。――――――どんな事があっても諦めずにみんなの事を人任せにしない事をしなかったから、”弱い”って言っているの。」
「”みんな”……それはまさか”国民”の事を示しているのかい?」
「その通りだ。”王”とは最優先に民達の事を考え、どのような苦境に陥ろうとも諦める事は決して許されない。――――――お前達は”アルスター襲撃”の件でエレボニアがリベールに理不尽な要求をした日にもリベールに滞在していた事はアリシア女王達と謁見したユーディ達から聞いている。それならば、お前達自身もその目にすることができたのではないか?アリシア女王とクローディア王太女の”リベールの王とその後継者としての意思”――――――例えかつて”百日戦役”で国家に、国民達に大きな被害を与えたエレボニア帝国との戦争が勃発しようとも、国を、国民達を守る為に”アルスター襲撃”という鉄血宰相達が作り上げた”冤罪”に対
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