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アルゼンチン帝国召喚
第十話「皇国と帝国」
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でもこの世界で見た仲では最強と言えるパーパルディア皇国よりも上であった。アイルサン・ヒドゥラーは少し考えた後頷いた。

「敵対意志はないようだし帝国領チリに案内しろ。そこからはクワトイネ公国の時と一緒だ」
「本土に乗せるのですか?」
「問題ないだろう。下手な事が出来ないように前後に船を挟めばいいし高層ビル群の大都市を見せれば相手の反応で相手の技術力について少しでも知れるだろう」
「分かりました。なら直ぐに準備を行います」

こうしてグラ・バルカス帝国使節団はアルゼンチン帝国本土への上陸許可が下りるのであった。









グラ・バルカス帝国使節団の一人シエリアは目の前の戦艦に顔を青くしていた。
彼女が乗船するグレードアトラスターですら目の前の戦艦より小さい。これだけで相手の技術力が上というのが何となくわかる。

「諜報員から聞いた時はどんなジョークだと思ったが実際に見ればすさまじいな」
「それほどですか?」

シエリアは艦長のラクスタルの言葉に返す。ラクスタルもシエリアほどではないが顔を青くし汗を流していた。

「詳細は分からないが少なくとも目の前の大型艦はグレードアトラスターより同等かそれ以上だろう。諜報員によるとこの艦は三番艦、つまりグレードアトラスター以上の戦艦をアルゼンチン帝国は最低でも三隻持っている事になる」
「そんな……!」

シエリアは顔の色を真っ白にする。我が国最強の船を超える船が三隻も……。シエリアはアルゼンチン帝国が我が国とは遠く離れた極東にある事に深く安堵した。もし近くにあれば攻撃して怒りを買ったかもしれないからだ。

「艦長!アルゼンチン帝国より通信です。我々を本土へと案内し総統直々に会うそうです」
「ほお、随分と思いっ切りがいいな。分かった。感謝の報を入れろ」
「はっ!」

通信士からの報告にそう答える。やがて目の前の大型艦、リヴァイアサンが回頭する。どうやら先導するらしい。その動きを見てラクスタルは思う。

「(早い……!)」

グレードアトラスターより早く動く。戦艦とは鈍重な物だ。よほど高性能なエンジンかぶそうを軽くしないと速度は出ない。それなのに目の前の船はどうか?少なくとも武装がないか?それは違う。見るからに艦隊旗艦だ。今の今まで戦闘をしていたのなら別だが動きは無かった。つまり高性能エンジンを積んでいるだろう。それも我が国より高性能なものを。
ラクスタルはシエリアと同じように近くになくて良かったと思うのであった。

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