三十三 誘い
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が内から」
術者であるダンゾウが死亡すると解除される“呪印”。
舌のソレを忌々しく睨みながら、シンはサイにとっては今まで微塵も思うことすらなかった言葉を簡単に口にした。
それは、『根』に席を置く者からしては思いつきもしない話だった。
「────共に、ダンゾウを倒そう」
闇の中。
微かに感じた気配に、サスケは身動ぎした。
大蛇丸のアジト。
そこの一室で、寝床に横になっていたサスケは「────誰だ」と静かに問うた。
大蛇丸ではない。カブトでもない。
アジトにいる他の者の気配でもない。
施錠していたはずの部屋。
鍵を開けた様子もこじ開けた音すら無かった。
まるで空間を出入りしたかのように、突如現れた気配を、サスケは身を横たわらせながら警戒する。
己が木ノ葉のスパイだと勘づかれたのか。
しかしながら大蛇丸の部下には、自分の背後を取れる相手などいなかったはずだ。
ましてやここまで接近するまで気配を微塵も感じさせなかった者など。
「誰だ?────目的はなんだ?」
「目的は…────君を『暁』に引き入れることだ」
ハッと反射的に身構えたサスケは、自分の前にいる仮面の男に顔を顰める。
「誰だ…どうやって此処に入ってきた?」
「俺にとっては、四方を取り囲む壁も頑丈な鍵も、何の障害にもならない」
暗闇の中、相手の身なりをサスケは警戒心を露わに見据える。
黒地に、赤き雲。
それが、かつて復讐対象であったうちはイタチが加入していた組織の外套だと理解したその時には、サスケの眼は【写輪眼】を発動していた。
「おっと。早まるな」
サスケと同じ写輪眼たる双眸を細め、仮面の男は仮面の裏で僅かに苦笑した。
「君を『暁』に勧誘しに来ただけなのだから」
『暁』と敵対する大蛇丸。
表向きは敵の配下であるサスケを堂々と誘いにきた仮面の男は、闇の中、ゆるゆると口角を吊り上げた。
「『暁』に来い────うちはサスケ」
お前の器は、大蛇丸にくれてやるほど安くはないはずだ。
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