第十二話 予定変更とブルックの町
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物の毛皮や爪、牙、そして魔石を取り出す。ついでにオスカーがいらないと言った素材も出した。
オバチャンが驚愕の表情をした。
「とんでもないものを持ってきたね。これは…………樹海の魔物だね?」
「ああ、そうだよ」
「樹海の素材は良質なものが多いからね、売ってもらえるのは助かるよ。ところであんたたち、何者だい?」
「そこは秘密さ。女には秘密が付き物らしいが、男にも秘密はあるんだよ」
「へえ‥‥良いこと言うじゃないか。文才あるね」
それからオバチャンは、全ての素材を査定し金額を提示した。買取額は四十八万七千ルタ。結構な額だ。
「これでいいかい? 中央ならもう少し高くなるだろうけどね」
「いやいや。これでいいよ。ところで、門番の彼に、この町の簡易な地図を貰えると聞いたんだが……」
「ああ、ちょっと待っといで……ほら、これだよ。おすすめの宿や店も書いてあるから参考にしなさいな」
「おぉう。中々に素晴らしい出来なんだが‥‥‥金とんなくていいのか?」
「構わないよ、あたしが趣味で書いてるだけだからね。書士の天職を持ってるから、それくらい落書きみたいなもんだよ」
「この上なく優秀な人だな」
「褒め言葉として受け取っておくよ。それより、金はあるんだから、少しはいいところに泊りなよ。治安が悪いわけじゃあないけど、その二人ならそんなの関係なく暴走する男連中が出そうだからね」
「既に承知済みさ」
「承知済み‥‥ああ、さっきの騒ぎはそういうことかい。あんたの正体がますます気になるよ」
「はは、まあそのうち分かるさ。それじゃあ色々ありがとうな」
そう言ってギルドを立ち去った。ユエは背中に、聖は右に、シアは左の布陣のままだが。更に蜂起とミーナが仲良く手を繋ぎながら続き、拓人、オスカー、ハジメが後方につく。俺はオバチャンにもらった地図‥‥‥というかガイドブックを見て、今日泊まる宿を探す。すると、マサカの宿≠ニいう宿屋を見つけた。紹介文によれば、料理が美味く防犯もしっかりしており、何より風呂に入れるという。最後が決め手だ。
というわけで俺たちはマサカの宿に向かった。
宿の中は一階が食堂になっているようで複数の人間が食事をとっていた。俺たちが足を踏み入れると、当然のように美女四人に視線が集まる。いや、よく観察すればハジメやオスカーにも視線が集まっている。まあ、ハジメは別にブスじゃない。むしろイケメンの部類だ。オスカーも同じである。まあ二人共本命がいるらしいが‥‥。
視線を全て無視して、カウンターらしき場所に行くと、十五歳くらい女の子が元気よく挨拶しながら現れた。
「いらっしゃいませー、ようこそマサカの宿≠ヨ! 本日はお泊りですか? それともお食事だけですか?」
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