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ヘタリア大帝国
TURN35 マレー侵攻の前にその一
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けれど」
「そう聞こえない?」
「だって田中さんあの東郷さんから連合艦隊司令長官の座奪うっていうし」
「命令違反なんて常だしね」
「だからけなしてるだろ」
 また言う田中だった。
「ったくよ。とにかく俺はいつも特攻なんだよ」
「日本軍もよくこんな馬鹿提督にしてるわね」
 ハニートラップの呆れた口調は変わらない。その目も。
「けれど東郷は案外こいつ重用してない」
「うん、そうかもね」
「自分の席を奪うって公言してる人だけれどね」
 今度は猿とパンダが言う。
「何か結構色々任務与えてるよ」
「今みたいにね」
「田中さんは確かに命令違反ばかりして暴走するけれど」
 台湾はその言われっぱなしの田中をモニターから見て話す。
「伊達に士官学校で勉強してこの若さで提督になった訳じゃないから」
「おう、俺はやるぜ」
「けれど本当にそのうち大怪我するわね」
 台湾はこうも見ていた。そうした意味ではハニートラップと同じだった。

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