第三章
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「優しい声をかけて実際にや脚区していけば」
「私達のところに来てくれるかしら」
「そうなるから。普通にしていきましょう」
「普通にしていけばいいの」
「そう、ちゃんとおトイレもするしそのことも心配ないし」
母はこのことはミリーにしっかりと教えるつもりだった、だが彼は最初からそうしているのでこのことはよしとした。だがこのことから彼が最初は誰かに飼われていてそこで虐待されていたのだと考えてもいた。
「だからね」
「このままなのね」
「家族として暮らしていきましょう」
一緒にとだ、こう言ってだった。
家族でミリーと一緒に暮らしていった、ミリーは暫く家族を怖がって出された食事や水をこっそりと食べてトイレもそうする以外は家族を避けて隠れてばかりだったが。
やがてだ、彩の言葉に驚いた。
ミリーはこの時も部屋の隅に隠れていたが彩がその彼に優しい声をかけたのだ。
「ミリー、ここにご飯とお水置いておくね」
「ニャア?」
ミリーは彩の優しい声と笑顔を見て驚いた、そして。
彼女が自分に何もしないので驚いていた、そうしたことが続き。
やがてミリーは家の中で普通にいる様になった、家族はその彼に何もしないどころか優しい声をかけ続け。
笑顔を向けて撫でたりもした、間違っても暴力は振るわなかった。
その為ミリーは次第に家族を怖がらない様になり隠れることはなくなった、そうして家の中で普通に動いて寝て。
家族の傍にいる様になった、そして遂に。
家族に身体を摺り寄せたり膝の上に乗る様になった、彩はリビングで自分の膝に乗ってきたミリーを見つつ母に言った。
「ミリーもやっとね」
「家族に懐いてくれたわね」
「そうなったね」
「この子は酷い目に遭ってきたわね」
「そうね、まだ脚と目が悪いし」
「ええ、けれどそんな子でもね」
過去辛い目に遭ってきてもというのだ。
「こうしてね」
「優しくしていけば」
「そうすればね」
「懐いてくれるのね」
「そうよ、それとね」
「それと?」
「この子は辛い目に遭ったから」
だからだというのだ。
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