TURN34 開戦と共にその十二
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「帝とか資産主義とか財閥とか」
「そうよね。一人だけが偉いとかお金持ちだとか」
「そんなの間違ってるんだから」
カテーリンの目から見ればそうだった。
「だから絶対にだよ」
「三国共やっつけて」
「太平洋にも共有主義を広めるの」
「エイリスはその後?」
「うん、植民地も解放よ」
その時になってだというのだ。
「最後になるよ」
「それでセーラ=ブリテンもなのね」
「学校で再教育よ。立たせてあげるんだから」
罰も与えるというのだ。
「植民地の皆苦しんでるのよ。一人だけ優雅にお茶飲んで遊んでるって酷いよ」
「そうだよね。だから共有主義がいいんだよね」
「共有主義は皆同じにするの」
カテーリンの中ではそうしたものだった。
「皆が幸せになる社会なんだよ」
「じゃあその実現の為にね」
「うん、戦うの」
そして勝つというのだ。
「この戦争に。最後に勝つのはソビエトなんだから」
「僕もね。皆がお家に入ってくれるとね」
ロシアは素朴な笑みでカテーリンに話した。
「嬉しいからね」
「祖国はクラス委員よ」
「国家のクラスの?」
「そうだよ。頑張ってね」
「うん、僕頑張るよ」
ここでもだ。ロシアの笑みは素朴だった。
「幸せになる為にね」
「そう。皆幸せにならないと駄目なの」
カテーリンは自分の学校の生徒の机から言った。
「一人だけ幸せになるとかいけないの」
「うん、そうだよね」
「その通りだよ」
ミーシャとロシアもカテーリンのその言葉に笑顔で頷く。二人はカテーリンの最高の理解者達だった。その彼等が自分の言葉に頷いたのを見てだ。
カテーリンは再びだ。こう言ったのである。
「じゃあ今日もね」
「うん、赤本の朗読だね」
「その時間になったね」
「皆で読もう」
カテーリン一人でなくだ。三人でだというのだ。
「そうしてお互いに勉強し合おう」
「そうだね。それじゃあね」
「三人でそうしようね」
三人は赤本を出して読み合う。共有主義の素晴しさを読書でも認識し合おうとしていた。三人にとっては今のこの時間こそが家族の時間だった。
オフランスは平和だった。本土がなくなろうとも。
マダガスカルでだ。フランスはビルメの話を聞いていた。
「あんたが今のあたし達の祖国だからね」
「ああ、それでだっていうんだな」
「ちょっと言いたいことがあるよ」
「あの人のことだよな」
「悪い娘じゃないね」
ビルメもそのことはわかった。
「むしろかなりいい娘だね」
「そうなんだよな。性格は凄くいいんだよな」
「しかも祖国さんの教えることもちゃんと頭に入れてくれてるね」
「筋はいいぜ。政治も軍事もな」
「だよね。けれどね」
「言いたいことはわかってるさ。世間ずれしてるっていう
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ