第七話「戦後処理」
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いっそ艦隊を動かしますか?」
「それも考えるか。だがもう少し粘ってみるか。他国はどうだ?」
「アルタラス王国は友好的、ガハラ神国はクワトイネ公国以上に歓迎してくれました」
「フェン王国にはガハラ神国の口添えで今向かっているのだったな?」
「その通りです。願わくば友好的な事を祈るばかりですね」
「ここがフェン王国か……」
「日本を思いだしますね」
アルゼンチン帝国外交官フェイルナン・デウルはフェン王国の様子に感心していた。国中が厳しく、厳格な雰囲気の国。それがフェン王国の第一印象だった。
「剣王が入られます」
その言葉に外交官は立ち上がり頭を下げる。
「そなた達がアルゼンチン帝国の使者か」
剣王の圧倒的な武の雰囲気にフェイルナンは武人というのはこういうものなんだろうなと感じていた。
「はい、貴国と国交を樹立したく参りました。こちらはお近づきのしるしにと持参しました」
アルゼンチン帝国で作られた銀製品や装飾品、更には切れ味の良い剣などがあった。
剣王は真っ先に剣を取り引き抜くとしげしげと見つめる。
「ほう、これは良い剣だな」
剣王は気を良くしアルゼンチン帝国外交官の提示条件を話す。内容は対等な国交の樹立と両国の交流等であった。
「ふむ、失礼だが私は貴国について何も知らない。だが、少なくとも貴国は高い技術力と礼儀を持っているのは分かる。貴国との提案も悪くない」
剣王の良い言葉に外交官が上手くいきそうだと考えた。
「しかし、国ごとの転移や海に浮かぶ鉄の船などとても信じられない。そこで提案なのだが貴国の船団を我が国に派遣してくれまいか?今年我が国の水軍船から廃棄する船が4隻出る。それで力を示してくれないか?」
「それは……」
用は力を見せろとの事らしい。確かに手っ取り早く国力を示せるだろうがまさか威圧外交を相手から望まれるとは思っていなかった。フェイルナンは本国に報告しますといいこの場は一旦お開きになった。
「……陛下」
「言うな。これも我が国の為だ」
宰相の言葉を剣王は遮る。現在フェン王国は存亡の危機に陥っていた。パーパルディア皇国が攻めてくる可能性が高まっていたのである。相手は列強の一つでフェン王国などとても対抗できる相手ではなかった。そんな中でやってきたアルゼンチン帝国。話が本当ならパーパルディア皇国に対抗できるかもしれない。
剣王はアルゼンチン帝国をパーパルディア皇国に使おうと考えていたのであった。
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