第四話「ロウリア王国戦1」
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
心するのであった。
余談ではあるがロウリア王国戦後は恩と恐怖から少しでもアルゼンチン帝国の役に立つことを考え農作物の輸出を開始した。当初はアルゼンチン帝国の方が美味であったが本格的に美味しくしようと努力した結果あっという間に追い越していきアルゼンチン帝国ではクワトイネ公国の農作物を一級品の農作物として扱いブランド化が進んでいきクワトイネ公国への親密度が大きく上がるのであった。
「ついに来たか……」
西部方面騎士団の団長モイジはワイバーンの鬨の声を聞き表情を引き締めた。ロウリア王国軍は50万を超えワイバーンも500以上用意しているという。クワトイネ公国ではそれほどの戦力は用意できなかった。
だが、モイジは決して慌てる事は無かった。むしろ、ロウリア王国軍に同情すらしていた。何故なら、
「ロウリア王国軍の越境を確認次第行動を開始します。よろしいですね?」
「勿論です。よろしくお願いします、ルーガ将軍」
モイジは隣にいた男、アルゼンチン帝国陸軍大将アウノルド・ルーガの言葉に頷く。ギムの西方に作られた陣地には西方騎士団のみならずアルゼンチン帝国陸軍40師団、60万人がいた。モイジは数で勝る上にアルゼンチン帝国の技術力を目の当たりにして突破どころか損害も軽微で済むだろうと自信がついていた。とは言え警戒を怠ることなく訓練を続ける様子はアルゼンチン帝国軍の好感も得られ良好な関係を築けていた。中には合同演習を行い交流を行っている部隊も存在していた。
「まずは上空のワイバーンを排除します。その後は陸軍による遠距離からの殲滅。最後に貴殿ら騎士団による残党狩りを行う。よろしいですね?」
「勿論です」
自国の防衛を他国に任せる事に当初は抵抗があったモイジも残党狩りとは言え騎士団にも役目を与えてくれるルーガに好感を持ち今は頭の片隅に追いやる事にしていた。クワトイネ公国はロウリア王国と正面から戦って勝てる訳ではないのだから。
「ワイバーン来ました!」
「空軍と接敵します!」
兵士の報告に空を見れば轟音を響かせながら飛ぶアルゼンチン帝国軍の鉄竜の姿があった。そして呆気なく殲滅されていく空の王者であるワイバーン。
「(あれほどのワイバーン、我が国では対処しきれないだろう。だが、アルゼンチン帝国軍はそれをあっさりとやってのける。……もしかしたらワイバーンは既に空の王者ではないのかもしれないな)」
モイジは絶対的な強さを持っていたと信じていたワイバーンが呆気なくやられていくのを見て時代の移り変わりを直に体験するのであった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ